デジタル大辞泉 「火舎」の意味・読み・例文・類語 か‐しゃ〔クワ‐〕【火舎/火▽蛇】 《「かじゃ」とも》仏事に用いるふた付きの香炉。かさ。「(笈おひニハ)―、閼伽坏あかつき、金剛童子の本尊を入れたりけり」〈義経記・七〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「火舎」の意味・読み・例文・類語 ほ‐や【火舎・火屋】 〘 名詞 〙① 香炉・手あぶりなどの上におおう蓋。また、香炉。[初出の実例]「火舎どもに色々の宝の香どもをたかせ給へれば」(出典:栄花物語(1028‐92頃)音楽)② ランプやガス灯などの火をおおうガラス製の筒。[初出の実例]「火屋の架りし燭台や」(出典:人情本・清談松の調(1840‐41)三)③ 火葬場の別称。[初出の実例]「あだし煙の梅田の火屋」(出典:浄瑠璃・賀古教信七墓廻(1714頃)四) か‐しゃクヮ‥【火舎・火蛇】 火舎〈愛知県 岩屋寺蔵〉〘 名詞 〙 ( 「かじゃ」とも ) 仏事に用いる蓋(ふた)の付いた香炉。かさ。ひいれ。〔十巻本和名抄(934頃)〕[初出の実例]「火舎どもに色々の宝の香どもをたかせ給へれば」(出典:栄花物語(1028‐92頃)一七) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
改訂新版 世界大百科事典 「火舎」の意味・わかりやすい解説 火舎 (かじゃ) 浅い円筒形の胴の上端に大きく外反する鍔状の縁を持つ容器に獣脚をつけた火鉢。正倉院の大理石製の本体に5匹の金銅製獅子脚を持つものなどがその例。小型の青銅製鋳造品で透しのある蓋を持つ火舎は,仏教の供養具の香炉として後世までつくられる。三彩釉の火舎は8世紀,瓦質土器の火舎は平安・鎌倉時代にも多く用いられ,大型のものは火鉢,小型製品は香炉として用いられた。執筆者:坪井 清足 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報