金剛童子(読み)こんごうどうじ(英語表記)Kaṇi-krodha

  • こんごうどうじ コンガウ‥
  • こんごうどうじ〔コンガウ〕

世界大百科事典 第2版の解説

サンスクリット名はカニ・クローダKani‐Krodhaといい,無量寿仏あるいは金剛薩埵(さつた)の化身とされる。金剛童子法調伏息災を祈る密教の修法である。金剛童子を単独で説いた経典は,金剛智訳と不空訳の2種があり,前者には黄色身の二臂(にひ)後者には青色身の六臂像が述べられている。これらは黄童子,青童子ともいわれ,黄童子は主として台密において,青童子は主として東密において用いられると伝える。

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大辞林 第三版の解説

忿怒ふんぬの相をした二手または六手の童子。金剛杵しよの力を神格化したもの。胎蔵界曼荼羅の金剛手院に位置する。阿弥陀仏の化身とも、また烏芻沙摩うすさま明王と本体を同じにするともいわれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

金剛杵(しょ)に秘められた威力を影像化した金剛部の忿怒(ふんぬ)形の童子。サンスクリット語ではバジラクマーラVajra-kumraあるいはカニクローダKai-krodhaという。阿弥陀(あみだ)仏の化身(けしん)といわれ、形像は蔵王権現(ざおうごんげん)に似る。二臂(ひ)または六臂像。二臂像は天台宗の園城寺(おんじょうじ)(三井寺(みいでら)、大津市)所伝といい黄童子で、左足を高くあげ、空中を踏み(丁字立(ていじだて))、両手を大きく開く。とくに左手に三鈷杵(さんこしょ)を持ち、右足は青蓮華(れんげ)座を踏む。六臂像は東密系で青童子という。二臂像は園城寺に作例が、六臂像は醍醐寺(だいごじ)(京都市)に信海筆の白描図像が伝存する。[真鍋俊照]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

[1] (Vajra-kumāra の訳語) 仏語。胎蔵界曼荼羅で、金剛手院の金剛鏁菩薩の左に配する護法神。総じて、童形で手に金剛杵(こんごうしょ)を持ち、左足をあげて忿怒の相を作る。台密では二臂黄色の黄童子、東密では六臂青色身の青童子を用いる。
※高野本平家(13C前)二「南無権現金剛童子(コンガウドウジ)、願はくは憐みをたれさせおはしまして」
※とはずがたり(14C前)一「大法ひ法のこりなくおこなはる、七仏薬師、五たんの御修法、普賢延命、金剛童子、如法愛染王などぞきこえし」

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