火鼠(読み)ヒネズミ

デジタル大辞泉 「火鼠」の意味・読み・例文・類語

ひ‐ねずみ【火×鼠】

中国想像上動物南方の火山国の火中にすむ白鼠で、その毛皮は火に焼けないといわれる。かそ
唐土もろこしにある―の皮衣かはぎぬを給へ」〈竹取

か‐そ〔クワ‐〕【火×鼠】

ひねずみ」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「火鼠」の意味・読み・例文・類語

か‐そクヮ‥【火鼠】

  1. 〘 名詞 〙 その皮で火浣布(かかんぷ)という不燃性の布を織るとされ、中国南部の深山にすむと考えられた鼠。ひねずみ。
    1. [初出の実例]「今惟貴君、服火鼠裘、日夜防風」(出典:菅丞相往来(鎌倉室町か)一一月)
    2. [その他の文献]〔蘇軾‐徐大正間軒詩〕

ひ‐ねずみ【火鼠】

  1. 〘 名詞 〙 古代中国における想像上の動物の一つ南海の火山国の火中に棲息し、その毛皮は火に焼けることがないといわれている白ねずみ。かそ。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「ひねずみのおもひ、片時に消えたるもいとあへなし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)絵合)

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