灰身滅智(読み)ケシンメッチ

デジタル大辞泉 「灰身滅智」の意味・読み・例文・類語

けしん‐めっち【灰身滅×智】

《身を灰にし、智を滅する意》仏語煩悩ぼんのうを断ち、身も心も無にして執着を捨てること。上座部仏教理想とする境地灰断けだん灰滅けめつ

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精選版 日本国語大辞典 「灰身滅智」の意味・読み・例文・類語

けしん‐めっち【灰身滅智】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。身を灰燼にし、心を滅すること。また、その行為。空寂・無為の涅槃の境に入って、身心を無に帰すること。小乗仏教の求める究極理想の境界灰断(けだん)灰滅(けめつ)
    1. [初出の実例]「久久成果位灰身滅智其涅槃」(出典秘蔵宝鑰(830頃)中)
    2. [その他の文献]〔天台四教儀〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「灰身滅智」の意味・わかりやすい解説

灰身滅智
けしんめっち

仏教用語。身を灰にし智を滅する意。身心ともまったくの無に帰すること。中国仏教において,部派仏教の最終目的である無余涅槃をさしていう語。大乗仏教からは,一種虚無主義的で不完全な悟りの境地だとして批判された。

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