烏竜茶(読み)ウーロンチャ

デジタル大辞泉 「烏竜茶」の意味・読み・例文・類語

ウーロン‐ちゃ【烏竜茶】

《「ウーロン」は中国語》中国福建省台湾などの特産半発酵茶生葉を発酵途中で釜煎かまいりをし、よくもんだのち乾燥させる。いれた茶は紅茶に似るが、緑茶風味をとどめ香気が強い。
[類語]中国茶普洱茶プーアルちゃジャスミン茶さんぴん茶

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改訂新版 世界大百科事典 「烏竜茶」の意味・わかりやすい解説

烏竜茶 (ウーロンちゃ)
wū lóng chá

中国茶の一種。青茶(チンチヤー)とも呼ばれ,緑色がかった茶褐色であるが,一見すると黒褐色でカラスの羽を思わせ,ねじれ曲がった形状は〈竜のつめ〉のようだというので,烏竜茶の名があるという。無発酵の緑茶と完全発酵の紅茶の中間にある半発酵茶で,両者の長所を兼ね備えている。特有の酵素の作用で油脂の分解力が強く,油気の多い中国料理に最適の飲料である。製造開始の時期や場所は明らかでないが,福建省南部安渓県の《安渓県志》(1725-35)にはじめて名を見ることができる。その後,福建省北部でもつくられるようになり,1885年(光緒11)ころに台湾に伝わったとされる。福建省安渓産の鉄観音茶,正渓茶,福建・江西両省の境にある武夷山系産の岩茶,水仙茶,広東省鳳凰ウーロン茶,台湾の凍頂ウーロン茶などが知られている。ウーロン茶を楽しむには握りこぶし大の朱泥のきゅうすを用いるのがよく,これを温めておいて茶葉を小さじ3~4杯ほど入れ,熱湯を注ぐ。飲んだときはかなり渋みを感ずるが,後味はさわやかな甘味と芳香がある。
中国茶
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の烏竜茶の言及

【チャ(茶)】より

…不発酵茶の代表的なものが緑茶であり,発酵茶の代表は紅茶である。日本では両者の間に半発酵茶としてウーロン(烏竜)茶を区別する。中国では〈六大茶類〉と称して,不発酵茶の緑茶,黄茶,黒茶と,発酵茶の青茶,白茶,紅茶の6種に分ける。…

※「烏竜茶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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