ばい菌による爪囲炎は、急性爪囲炎と
なお、本項では爪の解剖用語を用いるので、図104を参考にしてください。
黄色ブドウ球菌を原因菌にすることが多いようですが、その他のばい菌(
爪廓部の荒れた皮膚や、わずかな傷から生じます。爪周囲の発赤、腫脹および疼痛が著しく、圧迫すると爪廓の下のわずかな部位からうみが排出されます。時にかなり大きな血うみ(
なお、カンジダ性爪囲炎ではこのような強い症状を認めないのが特徴です。
●カンジダ性爪囲炎
自覚症状はほとんどなく、近位爪廓および側爪廓は暗赤色にはれてわずかなかさぶた(
ばい菌の種類を同定するため、細菌培養を行います。また、黄色のうみは黄色ブドウ球菌、緑色のうみは緑膿菌など、うみの性状は原因菌を推測するうえで参考になります。
一般に症状が爪周囲の皮膚に限られ、
指先に発赤・腫脹・疼痛・熱感などが生じたら、がまんせず皮膚科専門医を受診してください。
立花 隆夫
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
爪(つめ)の周囲の皮膚が赤く腫(は)れて炎症をおこしたものをいう。化膿(かのう)菌やカンジダの感染によるほか、湿疹(しっしん)性のものもある。いずれも爪の周囲の皮膚が赤く腫れ、爪と皮膚の間にすきまができて、圧迫すると痛みがあり多少の膿汁(のうじゅう)が出るようになる。ことにカンジダ性爪囲炎は家庭の主婦や水を扱う職業の人に好発し、爪の変色や変形を伴うことが多く、頑固で治りにくい。水仕事を避け、指の乾燥に心がけ、抗真菌剤を外用する。化膿菌性爪囲炎はひょうそ(瘭疽)の一種で、激しい痛みを伴う急性炎症のことが多いが、ときには慢性に経過することもある。安静にし、抗生物質の内服と抗菌剤軟膏(なんこう)を外用する。手の湿疹に併発したものは湿疹の治療が必要である。
[野波英一郎]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…白く浸軟しただれる。(4)爪囲(そうい)炎・爪炎 爪囲部が発赤,腫張し,疼痛を伴う。つめが混濁し,変形する,などが多い。…
…治療としては,初期には抗生剤の服用と局所の冷湿布が行われるが,化膿すれば切開による排膿が必要となる。つめの周囲に起こる瘭疽のことを爪囲(そうい)炎といい,つめの切り過ぎによってできた傷口からの感染であることが多い。炎症が爪下の広い部分に及ぶときは除爪する必要がある。…
※「爪囲炎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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