瘭疽(読み)ヒョウソ(その他表記)felon

翻訳|felon

デジタル大辞泉 「瘭疽」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐そ〔ヘウ‐〕【××疽】

手足の指の皮下組織に起こる化膿かのう菌による炎症。強い痛みがあり、骨などに波及しやすい。ひょうそう。

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精選版 日本国語大辞典 「瘭疽」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐そヘウ‥【瘭疽】

  1. 〘 名詞 〙 手足の指の末節の急性化膿性炎症。この部分組織の構造上化膿が骨膜・骨に達しやすく、また知覚が鋭いので激痛がある。局所は化膿、腫脹発赤熱感を起こす。ひょうそう。〔十巻本和名抄(934頃)〕

ひょう‐そうヘウ‥【瘭疽】

  1. 〘 名詞 〙 「ひょうそ(瘭疽)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「タカユヒニ ヒョウソウガ テマシタ」(出典:交隣須知(18C中か)一)

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改訂新版 世界大百科事典 「瘭疽」の意味・わかりやすい解説

瘭疽 (ひょうそ)
felon

手足の指の末端に起こる炎症。指は赤くはれ,激痛を伴う。痛みはとくに夜間に強い。原因菌はおもにブドウ球菌で,初期には皮内の炎症であるが,皮下組織に及ぶと急速に広がり,骨や腱鞘に波及しやすい。治療としては,初期には抗生剤の服用と局所の冷湿布が行われるが,化膿すれば切開による排膿が必要となる。つめの周囲に起こる瘭疽のことを爪囲(そうい)炎といい,つめの切り過ぎによってできた傷口からの感染であることが多い。炎症が爪下の広い部分に及ぶときは除爪する必要がある。
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