カンジダ

デジタル大辞泉 「カンジダ」の意味・読み・例文・類語

カンジダ(〈ラテン〉Candida)

カンジダ属に属する菌類総称真菌一種ヒト表皮口腔消化器官内などに常在するが、免疫機能の低下などにより異常繁殖するとカンジダ症を起こす。

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百科事典マイペディア 「カンジダ」の意味・わかりやすい解説

カンジダ

真菌類,不完全菌類の一属。分芽によって増殖し,仮性菌糸をつくる。加水分解酵素に富む。細菌感染症抗生物質を用いた場合など粘膜皮膚気管支,肺,腸,尿路などに感染菌交代症),炎症膿瘍(のうよう)の原因となり,死ぬこともある。この病原性を示す種はほとんどカンジダ・アルビカンス。→肺カンジダ症
→関連項目鵞口瘡烏のお灸真菌症腟炎トリコマイシン皮膚真菌症日和見感染症モニリア病

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改訂新版 世界大百科事典 「カンジダ」の意味・わかりやすい解説

カンジダ
Candida

酵母に似た不完全菌類の1属。単細胞状の球形または卵円形をした,無色の,いわゆる酵母形をした状態のときには,出芽によって増殖する。この出芽細胞とは別に,真正菌糸および出芽による偽菌糸も形成する。酸化的分解作用のほか,発酵作用を有するものが多い。カンジダ症の主要な病原菌であるCandida albicans,石油資化性酵母C.tropicalis,飼料酵母C.utilisなどが含まれている。C.albicansはヒトや動物の口腔や皮膚そのほかの体内外から見いだされ,出芽細胞の大きさは4~6μmである。通常の場合は人体に害を及ぼさないが,抗生物質などの薬剤が長期に用いられたとき(菌交代現象による)や,人体の感染防御の仕組みである免疫系の機能が低下したような場合に,体内で異常に繁殖して,カンジダ症を引き起こす。最も高い頻度で感染がみられるのは口内や陰部などの粘膜で,そこがただれて,かゆみや痛みを生ずる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンジダ」の意味・わかりやすい解説

カンジダ
Candida

空気中にいる真菌といわれるカビの一種。子嚢菌類エンドミケス目。酵母であることはわかっているが,まだ子嚢形成が知られていないいわゆる不完全酵母類の一属。カンジダ・アルビカンス C. albicansは病原性があり,皮膚,消化器官,呼吸器官外陰部などがおかされ,カンジダ症が起る。

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世界大百科事典(旧版)内のカンジダの言及

【菌交代現象】より

… 菌交代現象や菌交代症の発生機序を考えるとき,微生物,宿主(ヒト),薬剤および環境の4因子を検討するのが便利である。微生物すなわち耐性菌は抗生物質の発達に伴い時代とともに当然変化するが,現在ではグラム陰性杆菌,とくに緑膿菌,およびその類縁菌,霊菌,カンジダなどが重視されている。宿主側では,3歳以下および60歳以上により多く,基礎疾患や感染防御力の低下があると起こりやすい。…

【酵母】より

…子囊胞子を形成するサッカロミケスSaccharomyces,ピキアPichia,ハンゼヌラHansenula,デバリオミケスDebaryomycesなどは子囊菌類に由来し,冬胞子(テリオスポアーteliospore)を形成するロドスポリディウムRhodosporidium,レウコスポリディウムLeucosporidium,その半数体のロドトルラRhodotorula,スポロボロミケスSporobolomycesなどは担子菌類に由来すると考えられている。また,胞子を形成しないため,その由来の明らかでないカンジダCandidaのような無胞子酵母がある。細胞はおおむね円形ないし楕円形で,楕円形の場合短径が約3~4μm,長径が8~10μmである。…

※「カンジダ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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