片波村(読み)かたなみむら

日本歴史地名大系 「片波村」の解説

片波村
かたなみむら

[現在地名]京北町大字片波

黒田くろだ六ヵ村の一。大堰おおい川上流、上黒田かみくろだ村の北東にある山間小集落。近世黒田三ヵ村(上黒田・下黒田・黒田宮)の枝村的村落であった。

山林を管理するため、上黒田村の分家層が入山して村落を形成したと伝えられる。その時期は正中年間(一三二四―二六)といわれるが(元禄六年「宮野大明神記録帳」宮春日神社蔵)確証はなく、村の成立は中世末期と思われる。村名が史料上にみえるのは近世初期からである。

室町中期に片波山の所有権を巡って、黒田村と山国やまぐに本郷が争ったが、御材木御問大阿弥次郎の仲裁で、山国惣庄より立木とともに黒田村に永代売却された(延徳四年七月一九日付の上黒田春日神社文書)。文禄五年(一五九六)太閤検地検地帳は残らない。その後幕府領となり京都代官所の支配を受け、幕末には丹波篠山藩領となる。

承応二年(一六五三)の黒田村年貢割付状(菅河誠家文書)では、灰屋はいや村とともに上黒田村に入れられて、高一二三・五二石、取米二六・四四七石、免率二割一分四毛。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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