ただの石にすぎないような物に呪力や神的力を感じ,それを拝んだり祀ったり,それに異常な関心を抱くことを一般にいう。フェティシズムともいう。資本主義経済において商品や貨幣,資本が人々を動かし,人々の経済活動を支配し型にはめる力をもっている点に注目してK.マルクスは,この力に上記の関係をみてとり,資本主義経済(商品,貨幣,資本)の物神崇拝的性格と名づけた。すなわち,さまざまな労働が直接相互に社会的分業として関係づけられる経済(たとえば,社会的に必要なさまざまの労働への労働配分が直接,協同的に計画的になされるような経済体制)を正常なものとすれば,売れるかどうか,いくらで売れるか,もうかるかどうかでしか人間たちが動いていかない資本主義経済は,正常なものとは対照的である。ここでは,経済活動への人間的,自律的な正常な意欲は,商品をできるだけ高く売ろう,がむしゃらに貨幣をためこもう,死物狂いで多くの利潤を獲得しようといったように,商品,貨幣,資本の力にとりつかれ歪曲(わいきよく)されてしかあらわれない,とマルクスは考え,資本主義経済につきまとうこうした事態を物神崇拝(的性格)だとした。
→フェティシズム
執筆者:吉沢 英成
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…ケースによってもその成因が違うことは考えうることである。【福島 章】
【文化のフェティシズム】
従来のフェティシズムなる用語は,宗教学(呪物崇拝・偶像崇拝),経済学(物神崇拝),心理学(節片淫乱症)の3分野で使われてきた。フランス語のféticheはラテン語のfacticiusを語源にもつことからもわかるように,もともとはfactice(〈人工の,作品〉)の意味であるが,これが17世紀以来〈呪物〉のコノテーションを帯びるようになったのは,ポルトガル語のfetiço(呪具,護符)の影響である。…
※「物神崇拝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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