犬上川(読み)いぬかみがわ

日本歴史地名大系 「犬上川」の解説

犬上川
いぬかみがわ

鈴鹿山脈の鈴ヶ岳付近から発する北谷と、愛知えち愛東あいとう町の角井つのい峠付近から流れ出る南谷が、多賀町川相かわない付近で合流、北西流して甲良こうら金屋かなや付近から扇状地を形成、彦根市街の南方琵琶湖に注ぐ。「日本書紀」天武天皇元年七月二日条に「犬上川浜に軍す」とあり、壬申の乱の際に近江朝廷側が陣を張っている。天台座主記(華頂要略)建久二年(一一九一)四月条によれば、犬上河原で佐々木重綱が斬首されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「犬上川」の意味・わかりやすい解説

犬上川
いぬかみがわ

滋賀県東部の川。全長約 27km。鈴鹿山脈に発し,多賀町八坂で犬上川北谷と合流して北西流し,彦根市八坂で琵琶湖に注ぐ。谷口から広い扇状地性の沃野を形成し,流域灌漑用水として重要。一の井,二の井などの井堰があり江戸時代から水争いが絶えなかったが,1946年上流に犬上ダムが築造され用水が確保された。

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