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犯罪と刑罰 はんざいとけいばつ Dei delitti e delle pene

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世界大百科事典 第2版の解説

はんざいとけいばつ【犯罪と刑罰 Dei delitti e delle pene】

イタリアの思想家C.ベッカリーアにより1764年に著された刑法学の書物。密室裁判,拷問による自白,罪刑専断主義,過酷な刑罰などを内容とする18世紀の刑事司法に対する痛烈な批判の書である。フランス啓蒙思想の影響のもとで,社会契約説を国家刑罰権の基礎に置き,そこから罪刑法定主義目的刑論死刑廃止論を導いている。拷問の廃止など刑事裁判手続の改革についての提言も多く,その後のヨーロッパ各国における刑事法改革に大きな影響を与えた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

犯罪と刑罰
はんざいとけいばつ
Dei delitti e delle pene

イタリアの刑法学者ベッカリーアが1764年に発表した著書。本書は当時の専制的な刑罰制度とその運用に対して痛烈な批判を浴びせたもので、近代刑法学の黎明(れいめい)を告げる名著である。ベッカリーアは、国家の刑罰権の基礎にあるものは社会契約であるとした。すなわち、各人は自分の自由を確保するために、その自由の一部分を供出して社会をつくった。その供出された自由の総和が刑罰権の基礎であり、「この基礎を逸脱する刑罰権の行使は、すべて濫用であり不正である」として、罪刑法定主義、死刑廃止、拷問の禁止、法律的平等などを主張した。[小松 進]
『風早八十二・風早二葉訳『犯罪と刑罰』(岩波文庫)』

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世界大百科事典内の犯罪と刑罰の言及

【死刑】より


[死刑の存廃をめぐる議論]
 窃盗などにも死刑を多用することへの反対はすでにトマス・モアの《ユートピア》(1516)にもみられたが,死刑廃止論が高調されるのは啓蒙期以降においてである。なかでも,アンシャン・レジーム下の専制的過酷な刑事制度を論難したベッカリーアの《犯罪と刑罰》(1764)は著名である。彼は社会契約説に立ち,個人が生命までも差し出したとは考えられないとして,国家の権利としての死刑を否定し,威嚇力の点でも,一瞬に生命を奪う死刑よりも終身隷役刑のほうが効果があるとして死刑の廃止を主張した。…

【ベッカリーア】より

…若いころよりモンテスキュー,ルソーなどのフランス啓蒙思想家より強い影響を受け,ミラノの青年思想家グループ〈イル・カフェ〉の中心的人物であった。《犯罪と刑罰》(1764)はそのグループ内での議論をまとめたものである。弾圧を恐れて匿名で発表されたが,公刊後はヨーロッパ各国で次々に翻訳され,知識人に大きな影響を与えた。…

※「犯罪と刑罰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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