狭井河(読み)さいがわ

精選版 日本国語大辞典 「狭井河」の意味・読み・例文・類語

さい‐がわさゐがは【狭井河・佐韋河】

  1. 奈良市を流れる能登川別称と伝えられる。春日山に発し、西流して佐保川に合流する。また、桜井市三輪を流れる初瀬(はせ)川(大和川)の支流とも。
    1. [初出の実例]「是に其の伊須気余理比売命の家、狭井河(さゐがは)の上(へ)に在り」(出典古事記(712)中)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「狭井河」の解説

狭井河
さいがわ

佐韋河とも書く。「古事記」神武天皇段の后を娶る条で「是に其の伊須気余里比売命の家、狭井河の上に在りき。天皇(中略)一宿御寝し坐しき其の河を佐韋河と謂ふ由は、其の河の辺に山由里草多に在りき(後略)」と注し、山百合の多いことが記されている(奈良市の→率川神社。また同段に伊須気余里比売の歌「狭井河よ雲立ちわたり畝火山木の葉騒ぎぬ風吹かむとす」を記す。三輪山麓、狭井神社付近の地名か。「経覚私要鈔」文明四年(一四七二)五月五日の条に佐井さいの荘名がみえ、大乗院との関係がわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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