朝日日本歴史人物事典 「狭穂姫」の解説
狭穂姫
(寺田恵子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
(寺田恵子)
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垂仁(すいにん)天皇の皇后。実兄の狭穂彦より天皇の殺害を命ぜられたので、姫の膝枕(ひざまくら)で眠る天皇を三度刺そうとするが果たせない。その涙に目覚めた天皇は、夢のなかで佐保から降ってきた雨のなか、小蛇が首に巻き付いたのは何の予徴であろうかと問う。姫の自白により反逆を知ると、天皇は狭穂彦を攻め、姫は宮を抜けて兄のいる稲城(いなぎ)に入る。姫への愛情から天皇は攻撃の時を遅らせ、敏捷(びんしょう)な軍士にその救出を命ずるが、姫は稲城の中で生まれた天皇の御子(みこ)だけを渡し、兄とともに燃える稲城の中で命を終える。実兄の共同治政の誘いには、古い彦姫制の最後の残像をとどめるが、この話は、中国の『捜神記(そうじんき)』などに話材を求めて散文だけで語られた、古代における女性の愛の悲劇の白眉(はくび)といえる。
[吉井 巖]
機械メーカー。トヨタグループの総本家で,繊維機械のほかトヨタ自動車からの小型商用車の受託生産,エンジンその他の自動車部品,フォークリフトなどの産業用車両の生産も行なう。1926年豊田佐吉が,みずから発...