猫足(読み)ネコアシ

デジタル大辞泉 「猫足」の意味・読み・例文・類語

ねこ‐あし【猫足/猫脚】

猫のように音を立てないで歩くこと。また、その歩き方。
「例の如く―にあるいて来て」〈漱石坊っちゃん
ぜんや机などの脚で、上部がふくらみ、中ほどがやや細くなり、下部が丸くなっていて、猫の足の形に似たもの。
[類語]忍び足抜き足差し足すり足探り足抜き足差し足

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「猫足」の意味・読み・例文・類語

ねこ‐あし【猫足】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 猫のように音を立てないで歩くこと。また、その歩き方。ぬきあし
    1. [初出の実例]「猫あし ぬきあし也」(出典:浪花聞書(1819頃))
  3. 馬術で、跑足(だくあし)のこと。馬が駈ける様子が猫の走るのに似ているのでいう。
    1. [初出の実例]「馬にねこあしといふ事はあるべし。馬のねこのはしるやうにはしるを申也」(出典:岡本記(1544))
  4. 膳や机の脚で、上部がふくらみ、中ほどがやや細くなり、下部が丸くなっていて、猫の足に似ているもの。
    1. [初出の実例]「猫足の膳にてくふや鼠茸〈重頼〉」(出典:俳諧・犬子集(1633)五)
  5. ねこあしぜん(猫足膳)」の略。
    1. [初出の実例]「猫足で夫婦夜食をじゃれて食ひ」(出典:雑俳・柳多留‐六九(1817))
  6. 植物げんのしょうこ(現証拠)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

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世界大百科事典(旧版)内の猫足の言及

【アワ(粟)】より

…穂には小さな果実が密につき,しっぽのような形で垂れ下がる。穂の先端が枝分れする〈猫足〉や穂の途中の枝が伸びて手のひら状の穂となる〈猿手〉など6種の穂型があり(イラスト),短い穂で垂れ下がらないものもある。果実(頴果(えいか))は(イラスト)長さ2mm前後の球形または卵円形で無色,やや黄色や灰青色を帯びることがある。…

※「猫足」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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