珪灰鉄鉱(読み)けいかいてっこう(その他表記)ilvaite

最新 地学事典 「珪灰鉄鉱」の解説

けいかいてっこう
珪灰鉄鉱

ilvaite(lievrite)

 単斜晶系, 空間群P21/a, 格子定数a1.3009nm, b0.8801, c0.5859, β90.32°, 単位格子中4分子含む。Fe2とFe3が完全に無秩序配列の場合は直方晶系。断面菱形の太い柱状結晶,粒状結晶の集合。黒色,不透明,ガラス~亜金属光沢劈開{001}・{010}に明瞭。硬度5.5~6,比重4.1。薄片では黄褐色~不透明,屈折率α1.727, β1.870~1.89, γ1.883~1.92, 2V(-)20°~30°, 光分散vr強。Fe2の一部がMn2で置換されたものはmanganilvaite, Fe2+の2つとFe3+がそれぞれMn2+とMn3+で置換されたものはamamooriteという。おもにスカルン鉱床中に,石英方解石ヘデンベルグ輝石などに伴う。広域変成作用を受けた鉄に富む岩石中にもみられる。しばしば方ソーダ石閃長岩などにも産出。名称は,原産地イタリア,エルバ島のラテン語名Ilvaに由来。lievriteの英名は現在は使用されない。

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「珪灰鉄鉱」の意味・わかりやすい解説

珪灰鉄鉱
けいかいてっこう
ilvaite
lievrite

珪酸塩鉱物であるのに不透明で、条痕(じょうこん)色が黒色に近いのが特徴である。正方に近い斜方柱状あるいは断面が菱形(ひしがた)の柱状結晶をして産することが多いが、塊状、粒状のこともある。おもに接触交代鉱床中に産するほか、花崗(かこう)岩ペグマタイト中、閃長(せんちょう)岩ペグマタイト中、超塩基性岩を切る細脈中などにも産する。英名ilvaiteは産地イタリアのエルバ島Elva(ラテン名Ilva)にちなんで命名され、lievriteは発見者の名前、ルリエーブルM. Lelièvreに由来する。和名化学組成による。

松原 聰]


珪灰鉄鉱(データノート)
けいかいてっこうでーたのーと

珪灰鉄鉱
 英名    ilvaite,lievrite
 化学式   CaFe2+2Fe3+O(Si2O7)(OH)
 少量成分  Mn2+
 結晶系   斜方,単斜
 硬度    5.5~6
 比重    4.0
 色     黒
 光沢    亜金属
 条痕    褐黒
 劈開    二方向に明瞭
       (「劈開」の項目を参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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