現実科学としての社会学(読み)げんじつかがくとしてのしゃかいがく(その他表記)Soziologie als Wirklickeitswissenschaft

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「現実科学としての社会学」の意味・わかりやすい解説

現実科学としての社会学
げんじつかがくとしてのしゃかいがく
Soziologie als Wirklickeitswissenschaft

H.フライアー用語。同名の著書 (1930) もある。彼は文化社会学立場から,先行する G.ジンメル,L.ウィーゼらの形式社会学の抽象性と非現実性を非難し,これらのロゴス科学に対して,現実の「生」に肉迫した人間学的立場を主張した。その批判は歴史主義的観点を内包して有効なものではあったが,他面,厳密な分析的,科学的態度欠陥をもち,ファシズムのイデオローグとして国家主義的な立場に傾斜していった点は見逃せない。

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