生善院(読み)しようぜんいん

日本歴史地名大系 「生善院」の解説

生善院
しようぜんいん

[現在地名]水上村岩野 里坊

球磨川右岸に沿って走る県道三三号の北側の丘にある。千光山と号し真言宗智山派、本尊阿弥陀如来。通称ねこ寺。天正一〇年(一五八二)当時この地にあった普門ふもん寺五世盛誉無実の罪で非業の死をとげ、その母玖月善女も愛猫玉垂を抱いて湯山ゆやま茂間崎もまがさきの淵に入水した。その後相良家に不吉な事が次々と起きたため、寛永二年(一六二五)相良頼尚が盛誉・玖月善女・玉垂の霊を鎮めるため建立し、願成がんじよう(現人吉市)一六世尭辰が初代住職となった。同年鎮守として生龍しようりゆう権現および観音堂を別に勧請、さらに延宝元年(一六七三)境内に稲荷神社が勧請された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「生善院」の解説

生善院

熊本県球磨郡水上村にある新義真言宗寺院。1625年、人吉藩主、相良氏に怨みを抱いて愛猫とともに身を投げた女性と、化け猫となり祟りをもたらした猫の供養のために建てられたとされる。観音堂は国指定重要文化財。猫寺とも。

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