岩野村(読み)いわのむら

日本歴史地名大系 「岩野村」の解説

岩野村
いわのむら

[現在地名]植木町岩野

豊前街道の東、岩野山の南麓から東麓の一帯を占める台地上の村で、南は植木町(味取新町)、東は有泉ありずみ村に接する。観応元年(一三五〇)一二月二〇日の一色道猷範氏宛行状(佐田文書)に「肥後国岩野村薩摩彦次郎跡内」とあり、豊前国元永もとなが(現福岡県田川市)などとともに勲功の賞として宇都宮(佐田)公景に地頭職が与えられ、永享七年(一四三五)三月三日には公景の孫親景より嫡子盛景に譲られている(「佐田昌節譲状」同文書)。「事蹟通考」所収の宗氏系図には、康正元年(一四五五)宗兼信が菊池為邦から「岩野庄内」五〇町を賜ったとある。天正一五年(一五八七)八月二八日、佐々成政は山ノ上三名衆中に対し、玉名たまな伊倉南方いくらみなみがた・同玉名(現玉名市)の各七五町とともに「山本郡之内岩野村」二〇町を宛行っている(「佐々成政判物写」田尻文書)

岩野村
いわのむら

[現在地名]鹿北町岩野

岩野川右岸に位置し、北端の姫御前ひめごぜん(五九五・八メートル)(五三二・二メートル)などの筑肥山地西部の谷間に点在する小村からなる。東は椎持しいもち村・四町しちよう村、南は芋生いもう村、北・西は筑後国と接する。慶長国絵図に村名をみる。元禄国絵図には枝村として「三楠木村」が載る。近世は山鹿やまが郡山鹿手永に属し、東目・西目の二庄屋がいた。「国誌」によると三楠木口・百田口・中津川口の三ヵ所に百姓番の番所があった。

岩野村
いわのむら

[現在地名]越路町岩野

現町域の東南端に位置する。集落は信濃川左岸台地上にある。口碑によると、天正年間(一五七三―九二)までは信濃川の中洲に志度野岐しとのき石坂いしざか郷の小味おみくち村と称して二二軒の集落があったが、洪水により漸次現在地に移転したという(昭和一一年「郷教育資料」深井義春氏蔵)。現在かましまの南方に小味ノ口の地字が残る。正保国絵図古志こし郡「岩野村」高二九一石余がみえる。近世初めは高田藩領、元和四年(一六一八)長岡藩領、元禄一六年(一七〇三)幕府領、寛保年中(一七四一―四四)桑名藩預となり明治に至る。

岩野村
いわのむら

[現在地名]水上村岩野

北は江代えしろ村、南東は湯前ゆのまえ(現湯前町)、西は黒肥地くろひじ(現多良木町)に接する。球磨川に沿って集落の大半があり、また川内ごうち川の山間にも点在する。鎌倉時代には豊富五〇〇丁に含まれていたといわれる。慶長国絵図に「ゆのまへ内 岩野村」とあり、石高が記されず、岩野は湯前領内に属していた。「南藤蔓綿録」には「天和三年上球磨湯前岩野大川限リニシテ二カ名ニ分ル」とあり、天和三年(一六八三)に球磨川を境に湯前から分村している。

岩野村
いわのむら

[現在地名]柿崎町岩野

西は初田はつた村、東は米山寺べいさんじ村と接する。南を柿崎川が流れる。文禄(一五九二―九六)頃の頸城郡絵図に当村と思われる地点に「柿崎分上野村 下」とみえ、本納三六石七斗七升二合・縄高四五石六斗一升三合、家九軒・二九人とある。正保国絵図には高九五石余とある。天和三年郷帳では一二二石三斗余。明和年間(一七六四―七二)と思われる山里蝋実穂村別帳(国立史料館蔵)に山蝋実一斗六勺五才・里蝋穂八貫七三五匁とあり、吉木よしき(現新井市)の蝋点所に納めた。

岩野村
いわのむら

[現在地名]長野市松代町岩野

南は土口どぐち山系を隔てて清野きよの村に、西南は山が笹崎ささざきで千曲川に突き出すのを土口村(現更埴こうしよく市)の境界とし、西に千曲川が流れ対岸は更級さらしな横田よこた村になる。村内には谷筋道が貫通する。村の伝承では往古は「和名抄」の大穴郷に含まれたのではないかという。

村名の初見は慶長七年(一六〇二)の川中島四郡検地打立之帳(小柳文書)で、「岩野村 高六百参拾四石五升四合」とある。

岩野村
いわのむら

[現在地名]永平寺町岩野

浄法寺じようほうじ山の南西麓に位置し、南東は吉波よしなみ村、西は上浄法寺かみじようほうじ村。慶長一一年(一六〇六)頃の越前国絵図に「上野村」(高四二・六七石)とあるのは当村をさし、貞享二年(一六八五)の「越前地理指南」以降岩野村となる。正保郷帳によれば石高のすべてが畠方。江戸時代を通じて福井藩領。

安永二年(一七七三)福井藩金津領村鏡(高橋家文書)によると、石高は前記絵図と同じで無諸役、年貢率は三分で頂上免は天和二年(一六八二)の五分。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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