日本大百科全書(ニッポニカ) 「生活改良普及員」の意味・わかりやすい解説
生活改良普及員
せいかつかいりょうふきゅういん
農業改良助長法(昭和23年法律165号)に基づき、農林漁業従事者の相談相手として、その生活関係の知識や技術の普及指導活動を行う専門技術者。全国485か所に設置されている地域農業改良普及センターに所属し、2000年(平成12)現在で一地域農業改良普及センターにおおむね3人、全国計で1296人が配置されている。身分は地方公務員である。なお、1991年(平成3)2月の国の運営方針において、「農業関係」と「生活関係」の普及指導活動の、より一体的な推進を図る観点から、農業改良普及員と生活改良普及員という呼称区分を廃止し、「改良普及員」とした。
生活関係の普及指導活動は、協同農業普及事業の一環として、生活に関する適切かつ実用的な知識や技術の普及指導を直接農家に接して行うもので、アメリカの農村社会で開発されてきた普及事業活動がモデルとされて出発した。普及員の活動分野は、衣・食・住をはじめとして家計管理や育児、保健衛生などの広範な分野にわたっているが、農村の生活が、近代化、都市化の波を受け大幅に変化している今日では、女性農業者の経営参画の促進や高齢化に対応した生活・営農環境の改善等の課題に取り組んでいる。
[園田恭一]