生物の世界(読み)せいぶつのせかい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「生物の世界」の意味・わかりやすい解説

生物の世界
せいぶつのせかい

生物学者今西錦司の初期の著作 (1941) 。意欲的な生態学者としての著者が,具体的にはカゲロウの研究を基礎として,生物の生活というもの全体をどうとらえるかという包括的な課題に立向って議論を展開したもの。前半では立論の基礎となる著者の生命観,世界観が表明され,後半では単なる分類学とか生態研究とかに区分けされない生物社会学という構想が示される。正統的なダーウィン進化論に対する批判は,すでにこの本に見出される。この本で基礎固めをした視点を,著者は次の『生物社会の論理』 (49) で一層具体的に展開して,すみわけ,同位社会などの概念を明確にしている。この2つの著作は,今西の生物社会学の輪郭全体を示しており,その後のこの方面の研究者に多大の影響を与えてきた。

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