田中一光(読み)タナカ イッコウ

20世紀日本人名事典 「田中一光」の解説

田中 一光
タナカ イッコウ

昭和・平成期のグラフィックデザイナー 田中一光デザイン主宰



生年
昭和5(1930)年1月13日

没年
平成14(2002)年1月10日

出生地
奈良県奈良市

学歴〔年〕
京都市立美術専門学校(現・京都市立芸術大学)図案科〔昭和25年〕卒

主な受賞名〔年〕
日宣美会員賞〔昭和34年〕,ADC賞金賞〔昭和35年〕,ペルソナ毎日賞〔昭和41年〕,ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ第2位〔昭和43年〕,講談社出版文化賞〔昭和48年〕,毎日産業デザイン賞,芸術選奨文部大臣新人賞〔昭和55年〕,ニューヨークADC金賞〔昭和61年〕,ADC賞会員最高賞〔昭和61年〕,毎日芸術賞(第29回)〔昭和63年〕,日本文化デザイン大賞〔平成3年〕,紫綬褒章〔平成6年〕,朝日賞(平9年度)〔平成10年〕,ADC賞グランプリ〔平成10年〕,亀倉雄策賞(第1回)〔平成11年〕,文化功労者〔平成12年〕,造本装幀コンクール日本書籍出版協会理事長賞(外国語版部門 第36回)〔平成14年〕「HANAE MORI STYLE」,毎日ファッション大賞(特別賞 第20回)〔平成14年〕

経歴
鐘淵紡績で染色デザインをやっていたが、アメリカ文明に刺激を受けてグラフィックデザインに方向転換。のちサンケイ新聞大阪本社、ライトパブリシティを経て、昭和35年日本デザインセンター創立に参加。38年田中一光デザイン室主宰。48年からセゾングループアートディレクターとして包装紙ロゴ、イベントのポスターなどを手掛け、無印良品の企画・監修を担当。日本での西武美術館をはじめ、ニューヨーク、ロサンゼルスパリなどで個展開催。日本的表現と西欧的表現を融合させ、格調ある独自のスタイルを創造し、国際的にも高い評価を受けた。平成12年文化功労者。代表作に「共同石油」「東京銀行」の各マーク、「赤坂東急ホテル」の外装デザインなど。また、昭和45年大阪万博の政府館の展示計画に関わり、60年つくば科学万博のシンボルマークなども作製した。著書に「日本の文様」「田中一光デザインの世界」「デザインの周辺」「デザインの仕事机から」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

百科事典マイペディア 「田中一光」の意味・わかりやすい解説

田中一光【たなかいっこう】

グラフィック・デザイナー。奈良市生れ。京都市立美術専門学校卒。ポスター作品は数多いが,中でも1954年から続く《産経観世能》のポスターはモダンデザインの方法論と日本の伝統的美意識とを融合する田中のデザイン・スタイルが結晶化した傑作原弘の作品集《原弘 グラフィック・デザインの源流》など数多くの装幀,明朝体《光朝》の書体設計,《タント》などの洋紙開発,赤坂東急ホテルの外装色彩計画など幅広く活動。1973年より西武流通グループ西武百貨店)のアート・ディレクターを務め,ロゴ・マークからパッケージ,劇場・美術館のポスター,店舗の環境デザインまで,総合的な視点から同グループの企業戦略を支えた。
→関連項目八木一夫

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「田中一光」の意味・わかりやすい解説

田中一光
たなかいっこう

[生]1930.1.13. 奈良
[没]2002.1.10. 東京
グラフィック・デザイナー。1950年に京都市立美術専門学校図案科(→京都市立芸術大学)を卒業。産経新聞大阪本社などでグラフィック・デザインを手がけ,1963年に独立。日本の伝統を現代化したデザインで国際的に高い評価を受けた。毎日産業デザイン賞 (1966) ,芸術選奨文部大臣新人賞 (1980) ,ニューヨークADC金賞 (1986) ,毎日芸術賞 (1988) ほか受賞多数。作品集『田中一光デザインの世界』 (1987) がある。2000年文化功労者。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「田中一光」の解説

田中一光 たなか-いっこう

1930-2002 昭和後期-平成時代のグラフィックデザイナー。
昭和5年1月13日生まれ。35年日本デザインセンター設立に参加。38年から田中一光デザイン室を主宰。ブックデザイン,ポスター,シンボルマークなど幅ひろく手がける。48年講談社出版文化賞ブック・デザイン部門,63年毎日芸術賞。平成11年第1回亀倉雄策賞。12年文化功労者。平成14年1月10日死去。71歳。奈良県出身。京都市立美術専門学校(現京都市立芸大)卒。著作に「デザインの周辺」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「田中一光」の解説

田中 一光 (たなか いっこう)

生年月日:1913年1月13日
昭和時代;平成時代のグラフィックデザイナー。田中一光デザイン室主宰
2002年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android