20世紀日本人名事典 「田尻稲次郎」の解説
田尻 稲次郎
タジリ イナジロウ
明治・大正期の大蔵官僚,財政学者,子爵 大蔵次官;東京帝国大学教授;貴院議員(勅選)。
- 生年
- 嘉永3年6月29日(1850年)
- 没年
- 大正12(1923)年8月15日
- 出生地
- 京都
- 出身地
- 鹿児島県
- 別名
- 号=北雷
- 学歴〔年〕
- 大学南校,エール大学〔明治11年〕卒
- 学位〔年〕
- 法学博士〔明治21年〕
- 経歴
- 薩摩藩士であった父の郷里鹿児島と長崎に学び、明治元年上京。慶応義塾、開成所、海軍操練所、大学南校に学んだのち、4年米国留学しエール大学で経済・財政学を専攻、12年帰国。13年大蔵省少書記官、14年文部省御用掛、18年大蔵省調査局第四部長、19年国債局長などを歴任。この間、専修学校(現・専修大学)創立に参画し、帝大法科大学教授を兼任。その後、22年大蔵省銀行局長、24年主税局長、25年大蔵次官を務め、財政金融制度の創設に貢献。34年会計検査院長、大正7年東京市長に就任した。この間、明治24〜34年、大正7〜12年勅選貴院議員。明治28年男爵、40年子爵授爵。「経済大意」「財政と金融」など財政学および金融論、銀行論などの著書多数。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報