近世剣術の一流派。天明(てんめい)・寛政(かんせい)のころ(1790前後)武州秩父(ちちぶ)郡薄(すすき)村小沢口(こさわぐち)(埼玉県秩父郡小鹿野(おがの)町)の郷士逸見太四郎義年(へんみたしろうよしとし)が、甲斐源氏(かいげんじ)の系譜を引く逸見家伝の刀法に加えて、一刀流溝口派(みぞぐちは)の江戸浪人桜井五亮長政(さくらいごすけながまさ)(?―1787)の伝を受けて一流を編み出し、一神剣法(いっしんけんぽう)・甲源一刀流と称したのに始まる。義年は1828年(文政11)82歳で没したが、2代太四郎義苗(よしみつ)以下よく道業を継ぎ、小沢口の道場耀武館(ようぶかん)(現存、埼玉県指定文化財)を中心に、北武(埼玉)・上州(群馬)など近郷農民層に広く普及し、江戸末期から明治にかけて名剣士を輩出した。なかでも、江戸四谷(よつや)に道場をもち紀州藩江戸詰家老水野家の剣術師範となった強矢武甲斎良輔(すねやぶこうさいりょうすけ)(天真武甲流)や比留間与八利恭(ひるまよはちとしやす)、その子半造利充(はんぞうとしみつ)、孫の良八利衆(りょうはちとしひろ)らが有名である。
[渡邉一郎]
「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...
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