画餅に帰す(読み)ガベイニキス

精選版 日本国語大辞典 「画餅に帰す」の意味・読み・例文・類語

がべい【画餠】 に=帰(き)す[=属(ぞく)す]

  1. ( 絵にかいた餠は食べられないところから ) 考えや計画などが失敗に終わって、すっかりだめになる。むだぼねおりになる。
    1. [初出の実例]「牀蓐枕席の際にては如何なる神算鬼籌これあり候とも画餠(グヮベイ)に属(ゾク)し申すべく候」(出典:近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉五)

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故事成語を知る辞典 「画餅に帰す」の解説

画餅に帰す

考えや計画などが失敗に終わって、すっかりだめになることのたとえ。

[使用例] 明日の晩お敏に逢えなけりゃ、すべての計画が画餅になるわけだろう[芥川龍之介*妖婆|1919]

[由来] 「三国志書―いく伝」に見える、三世紀の中国、魏王朝の皇帝文帝のことばから。人材を登用するにあたっては「名(評判)」で評価してはいけない、とした上で、「名は地にえがきて餅を作るが如し、くらうべからず(評判というものは、地面に描いた餅が食べられないのと同じで、実際には何の役にも立たない)」と述べています。ここから、計画だけで失敗に終わることを「画餅に帰す」というようになりました。

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ことわざを知る辞典 「画餅に帰す」の解説

画餅に帰す

考えや計画などが失敗に終わって、すっかりだめになる。絵に描いた餅は食べられないところからいう。

[使用例] かねて種々計画したこともあったが、それは画餅に帰した[森鷗外*羽鳥千尋|1912]

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