異常分散(読み)いじょうぶんさん(英語表記)anomalous dispersion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

異常分散
いじょうぶんさん
anomalous dispersion

透明な物質の屈折率は,光の波長が長くなるに従って一般に単調に減少する傾向にあるが,その物質が共鳴吸収を起す波長に光の波長が近づくと,屈折率に急激な変化が起る。すなわち光の波長が増大して短い側からその波長のところに近づくと,屈折率は急激に減少し,その波長のところで不連続的に急増したのち,波長がさらに長くなると再び次第に減少して正常の値に戻る。この現象を異常分散という。音波の場合には振動数の増加とともに音速が単調増加を示さない現象をいい,媒質による音波の吸収と密接な関係がある。

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世界大百科事典内の異常分散の言及

【光分散】より

…このような分散は,媒質の吸収帯から離れた領域で起こる。一方,媒質の吸収帯付近の波長で生ずる分散はこれとは異なった形となり,異常分散と呼ばれる。ガラスや水晶などの可視光に対する屈折率は,波長が短くなるにつれて増加するので,正常分散が生じていることになる。…

※「異常分散」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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