疳の虫(読み)カンノムシ

デジタル大辞泉の解説

かん‐の‐むし【×疳の虫】

小児のを起こすと考えられていた。「疳の虫がおこる」「疳の虫封じ」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

かんのむし【疳の虫】

子供の体内にいて疳の病を起こすと考えられていた虫。また、疳の病。 「 -が起こる」
癇癪かんしやくをおこさせる虫。また、癇癪。

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精選版 日本国語大辞典の解説

かん【疳】 の 虫(むし)

① 小児の疳の病を起こすといわれる虫。また、その病気。食物をむやみにとって、消化不良を起こし、腹ばかりふくらんでやせる。紙などの異物を食べたりする。脾疳(ひかん)。〔運歩色葉(1548)〕
※仮名草子・浮世物語(1665頃)一「疳(カン)の虫(ムシ)、癖(かたかい)の病ありとて、痩疲れたるを」
かんしゃくを起こさせるといわれる虫。また、そのかんしゃく。癇。
婦系図(1907)〈泉鏡花〉前「其処はお前さんに免じて肝の虫を圧へつけた」

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世界大百科事典内の疳の虫の言及

【病気】より

…また,日本の小児について,疳(かん)というのがある。中国の医書によると,脾疳(ひかん),すなわち慢性の消化器障害や腹部の膨満,そして異常な食欲などを示す状態をいうが,日本の場合,疳の虫といわれるのは,夜泣き,過敏性,ひきつけなど,家庭内の静けさを過度に乱すと感じられる逸脱で,これを異常または病気として,虫封じ,疳押えなど治療の対象とする。 人間は病気になった場合,社会に期待し,また社会から期待される行動をとる。…

【虫】より

…この虫がどのような種類のものかは明らかでないが,おそらくその化生して次代に生命がうけつがれていく神秘性が,多くの人々の心理に深く印象されていたことに裏づけられる現象であろう。疳(かん)の虫など〈虫〉の呼称が小児の病気一般の名であったことも,恙虫(つつがむし)をはじめとする人体寄生虫がもっともふつうな病源であったことによるが,逆にこれらの虫を生のまま,あるいは乾燥,黒焼きなどにして病気を治すのにも用いた。ハチの子,カエル,蛇などは食物の一端としても用いられたのである。…

【虫封じ】より

…幼児が消化不良や寄生虫を宿したりして身体が弱くきげんが悪い場合や,〈虫がおこる〉とか〈疳の虫〉と称するひきつけや疳が起こった場合に,これを防ぐ呪法のこと。対処法としては,寺社に参詣して神仏に祈願する,祭神名や呪言・文字などを唱える,修験者,祈禱師,神主,僧侶などに祈禱をしてもらう,寺社の呪符や守札を家の入口や神棚に貼り付けておく,きゅうをすえるなど動・植物を使った民間療法をする,といったことがある。…

※「疳の虫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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