(読み)コン

デジタル大辞泉 「痕」の意味・読み・例文・類語

こん【痕】[漢字項目]

常用漢字] [音]コン(漢) [訓]あと
傷のあと。「傷痕刀痕痘痕とうこん瘢痕はんこん
消えないで残ったあとかた。「痕跡血痕墨痕涙痕
難読痘痕あばた痘痕いも

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「痕」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

[字音] コン
[字訓] あと・きずあと

[説文解字]

[字形] 形声
声符は艮(こん)。艮は、邪眼の呪禁に会って立ち止まり、却(しりぞ)く意。そのあしあとを跟迹という。〔説文七下に「胝瘢(ていはん)なり」とあり、傷あとをいう。の〔胡笳十八拍、十七〕に「刀痕瘢(せんぱん)」の句がある。文身の方法として皮肉を傷つけることがあり、それを瘢痕という。

[訓義]
1. あと、きずあと。
2. あとかた、痕迹

[古辞書の訓]
和名抄〕痕 加佐度古呂(かさどころ)、一訓、岐波(きは) 〔名義抄〕痕 アト・キズ・カクル・アザ・カサドコロ・キハ/浪痕 キハ/渡痕 キハ 〔字鏡集〕痕 アト・キズ・カサ・キハ・カト・カクル・アザ・イタム・カサドコロ

[熟語]
痕印・痕影・痕・痕・痕垢・痕迹痕蹟痕撻・痕廃痕累
[下接語]
瑕痕・旧痕・血痕・月痕・残痕・酒痕・焼痕・傷痕・条痕・痕・爪痕・瘡痕・痕・弾痕・潮痕・涕痕・痕・刀痕・痘痕・瘢痕・墨痕・涙痕

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【擬化石】より

菊花石と呼ばれる奇石の一種には,形が菊の花に似ており,なんらかの化石の断面を想像させるものがあるが,これはアラゴナイト(アラレ石)という鉱物が放射状に集合したもので化石とは無関係である。また化石とはまったく関係がなく,擬化石とも言えないもので,広い意味で化石の言葉を使っているものに,波の化石(痕(れんこん)),雨の化石(雨痕),雷の化石(雷管石),地震の化石(砂岩岩脈)などがある。【甲藤 次郎】。…

【クロスラミナ】より

…大規模なものは三角州などにみられる砂堆や,砂漠にみられる砂丘などである。波状現象の波高が10cm以下のものは,砂紋,痕(リップルマーク)と呼ばれ自然界には広く分布する。水槽実験の進歩により,リップルマークの形状,波長,構成物の粒径などの組合せから流れの方向や強さなどが推定できるようになった。…

【リップルマーク】より

…砂紋または痕(れんこん)などといわれることもある。風または水の流動によって堆積物の表面に作られるうねり模様のこと。…

※「痕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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