白描図像(読み)はくびょうずぞう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白描図像」の意味・わかりやすい解説

白描図像
はくびょうずぞう

密教の修法に用いる諸尊,曼荼羅などを,墨線のみの素描で図示したもの。密教では修法についての儀軌,作法が著しく難解でかつ秘密的であるため,図をもって伝法することが行われた。巻子,冊子が多いが,仏画制作のための下図ともみられる大きさで,彩色の注記を伴った一枚図もある。なかには淡彩を施した図があり,広く図像ともいう。『五部心観』 (園城寺) などの中国から将来された原本やその転写本のほか,日本の阿闍梨が考案した図像も多い。平安時代末に図像に対する関心が高まり,異種異形の諸尊,曼荼羅や白描図像の転写,収集が行われた。また図像を尊別や修法ごとに収集,整理した図像集『図像抄』『別尊雑記』『覚禅抄』などが次々に編纂された。

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