白木峠(読み)しろきとうげ

日本歴史地名大系 「白木峠」の解説

白木峠
しろきとうげ

[現在地名]山内村小松川

山内村小松川こまつかわと岩手県和賀郡湯田ゆだ町との間にある標高六〇一・六メートルの峠。

「義経記」の「吉次が奥州物語の事」に「金沢の城をも落されて、白木山にかかりて、衣川の城に籠る」とある白木山とはこの峠をさすといわれる。正保四年(一六四七)の出羽一国絵図には「白木坂難所 □ヨリ一里山三十四丁」「是ヨリ南部領野々宿村出ル」と記され、秋田領と南部領との領境であった。

近世期には南部領と秋田領とを往来する交通量も多かったが、険しい難所で冬には遭難も多く、峠の近くにはふきどり地蔵・五輪塔など、悲話のまつわる石造物がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白木峠」の意味・わかりやすい解説

白木峠
しろきとうげ

秋田県南東部,横手市岩手県南西部,西和賀町の境にある峠。標高 602m。江戸期までは出羽国の南部道と,陸奥国の岩崎街道および沢内街道を結び,鉄,ウマ,塩などが流通した。峠の東西には盛岡藩と秋田藩両藩の番所が置かれていた。明治期に秋田県と岩手県が共同で新道を開削,出羽国平鹿郡と陸奥国和賀郡から1字ずつとって平和街道 (国道 107号線) と名づけられたが,新道は白木峠の南東方 3kmあまりの地点で両県をまたぐことになった。新旧両街道の間を JR北上線と秋田自動車道が通る。

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