白血球表面マーカー(読み)はっけっきゅうひょうめんマーカー

四訂版 病院で受ける検査がわかる本 「白血球表面マーカー」の解説

白血球表面マーカー

基準値

諸条件により変動する

白血球数の増減や免疫異常などを調べる検査

 白血球の表面には、さまざまな抗原(糖蛋白)が存在し、これを表面マーカー指標)と総称しています。このマーカーを、モノクローナル抗体を使って分類したものをCDといいます。例えば、CD3はTリンパ球の表面にあるマーカーで、その数を調べるのが白血球表面マーカー検査です。おもなマーカーは、下表のようにCD番号で分類されています。

 この検査は、白血球数増減が認められるときや、免疫異常が示唆される場合に行います。

エイズではCD4とCD8の比が減少

 免疫異常の代表的な病態エイズでは、感染するとエイズウイルスヘルパーT細胞(免疫反応を促進するリンパ球)を障害し、一方、サプレッサーT細胞(免疫反応を抑制するリンパ球)は障害されません。そのため、ヘルパーT細胞は減少し、サプレッサーT細胞は減少しないため、CD4とCD8の比が減少し、感染していることが疑われます。その他、末梢血液中のリンパ球マーカー検査と血液腫瘍細胞のマーカー検査が臨床上、大切です。

 白血病悪性リンパ腫では、その悪性細胞がどの細胞に由来するかを検索し、由来細胞を推定することで適切な治療薬剤を選択できます。

 なお、この検査の基準値は、モノクローナル抗体の種類や測定する機種方法などにより微妙に変動するため、それぞれの施設ごとに設定しています。

■おもな白血球表面マーカー

CD番号……抗原分布、反応細胞

CD2……Tリンパ球、NK細胞

CD3……Tリンパ球

CD4……ヘルパー/インデューサー Tリンパ球

CD8……サプレッサー/細胞傷害性 Tリンパ球、NK細胞

CD19……Bリンパ球

CD21……成熟Bリンパ球

CD13……骨髄球単球、尿細管上皮

CD14……骨髄球、単球

CD34……造血幹細胞

CD56……NK細胞、神経芽細胞腫

医師が使う一般用語
「ひょうめんマーカー」もしくは「シーディー」

出典 法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」四訂版 病院で受ける検査がわかる本について 情報

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