六訂版 家庭医学大全科 「皮膚アレルギー性血管炎」の解説
皮膚アレルギー性血管炎
ひふアレルギーせいけっかんえん
Vasculitis allergica cutis
(皮膚の病気)
どんな病気か
皮膚に限られる血管炎で、成人女性に多く、両下肢に発症して潰瘍と紫斑を伴います。全身症状はほとんどなく、発熱や関節痛などがあっても軽微です。
原因は何か
病因はアルサス型反応(Ⅲ型アレルギー)で
症状の現れ方
両下腿から足の甲にかけて硬くなった
検査と診断
一般検査ではほとんど異常な所見はみられません。前記の臨床症状の存在と、全身症状や検査異常のないこと、病理組織学的に真皮上層~中層(まれに皮下組織)の小血管の
治療の方法
安静が最良の治療法です。下肢を持ち上げ、止血薬や非ステロイド性消炎鎮痛薬を内服します。皮膚の潰瘍部に二次感染を生じた場合は抗生剤を内服し、局所的にも抗生剤含有軟膏を使います。安静にすることで比較的すみやかに軽快しますが、立ち仕事や歩行により再発しやすく、再三にわたり繰り返す場合は職場を換えることも検討せざるをえないこともあります。
病気に気づいたらどうする
他の全身性血管炎との区別や診断確定のための組織検査が必要なので、皮膚科専門医を受診することをすすめます。
妹尾 明美
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報