直峰城跡(読み)のうみねじようあと

日本歴史地名大系 「直峰城跡」の解説

直峰城跡
のうみねじようあと

[現在地名]安塚町安塚・松崎

安塚集落の北東のじよう(三四四メートル)にある。前面眼下に松之山まつのやま街道が通る。城跡の南方にじようこしがあり百間馬場ひやつけんばば二ッ城ふたつちよの砦へと続く。城山の南西山麓添景てんけい寺寺域に館跡が比定されている。城跡付近の安塚地籍に倉刈門くらかりもん観音堂かんのんどう・二ッ城、松崎まつざき地籍に八方口はつぽうぐち郭井戸くるわいどなどの地字がみられる。城跡は東西約八八〇メートル、南北約七四〇メートルで、本丸跡中央に風間信濃守信昭顕彰碑があり、周辺には樹齢八〇〇余年の大欅、飲料水の金明水、蔵跡、矢竹、薬用・洗剤用のサイカチなどがある。かつて開墾が盛んに行われた頃薬師如来立像、千手観音坐像、宗典銘の鍔、青磁の茶碗、珠洲焼、越前焼の破片などが出土した。本丸を中心に四本の尾根が山麓に延び、安塚の町に面する南西の尾根を大手とし、四郭に分れる。各郭を堀が囲繞し、一部の郭には土塁をめぐらす。北と東は一部に自然地形を取入れた大規模な堀切がめぐり、東・西には細野ほその川・小黒おぐろ川が自然の堀をなす。本丸跡西側の二番目に大きな郭は蔵跡と称され、ほぼ正方形である。蔵跡の東側の郭は郭井戸と称し東西に長い長方形で、本丸の北側をめぐる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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