直間比率(読み)チョッカンヒリツ

関連語 名詞

精選版 日本国語大辞典 「直間比率」の意味・読み・例文・類語

ちょっかん‐ひりつチョクカン‥【直間比率】

  1. 〘 名詞 〙 国税収入中の直接税と間接税の比率

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「直間比率」の意味・わかりやすい解説

直間比率
ちょっかんひりつ

国税地方税に占める直接税間接税の割合。直接税とは,所得税法人税などの納税義務者と税金負担者が同じ租税さし,間接税とは,消費税酒税などの税金を転稼することによって納税義務者と税金負担者が異なる租税をさす。日本では第2次世界大戦前の国税収入は間接税に大幅に依存していたが,1949年にアメリカ合衆国の税制使節団によって出された,税制改革に関するシャウプ勧告うけ,直接税中心の税体系に改められた。1955年度の国税と地方税を合わせた直間比率は直接税 59.7%,間接税 40.3%でその後しばらく安定していたが,1970年度からは直接税が 70%前後で推移してきた。そのため税収構造が直接税にかたより,給与所得者を中心とした納税者に重税感や不公平感が広がった。政府は所得税の減税や,消費税を導入(1989)することで直間比率の是正をはかった。

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百科事典マイペディア 「直間比率」の意味・わかりやすい解説

直間比率【ちょっかんひりつ】

全税収に占める直接税と間接税の割合のこと。直接税である所得税や法人税は,所得が増加したり経済成長によって伸びる。間接税の比率が高いほうが景気動向に左右されず,安定しているといえる。税制改革のたびに議論される。
→関連項目直接税

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世界大百科事典(旧版)内の直間比率の言及

【租税】より

…たとえば,所得税は転嫁されないがゆえに直接税であり,酒税は納税者としてのメーカーが消費(購入)者に税負担を転嫁するがゆえに間接税であるとされている。なお〈直間比率〉とは,全租税収入に占める直接税収入と間接税収入の割合を一般には意味する。(2)課税の対象によって分類すると,収得税,所有税(資産税),消費税の三つに分かれる。…

【直接税・間接税】より

…間接税の種類はきわめて多いが,おもなものとして国税に消費税,酒税,揮発油税,たばこ税,関税など,地方税に地方消費税,軽油引取税などがある。 直接税と間接税との比率(〈直間比率〉という)は,租税体系の構築において重要な要素となる。日本では第2次大戦後に直接税の比率が高まっており,1934‐36年度平均で34.8%であったものが,近年は70%くらいにまで上昇している。…

※「直間比率」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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