変圧器などのコイル系で、異なるコイル間の電磁誘導の大きさを決める定数。相互誘導係数ともいい、記号Mで表すことが多い。 のように、二つのコイルからなる系において、コイル(1)に流れる電流が毎秒1アンペアの割合で変化するとき、コイル(2)に生ずる誘導起電力がMボルトである場合、相互インダクタンスはMヘンリーであるという。コイル(2)に流れる電流が変化し、コイル(1)に生ずる電磁誘導の相互インダクタンスもMヘンリー(国際単位系の単位。記号はH)となる。相互インダクタンスMは、コイル(1)、(2)の自己インダクタンスL1、L2とともにコイル系の基本定数で、変圧器などコイル系の理論に用いられる。
と定め、kを結合定数とよぶ。kは1と0との間の値をとり、1に近いときコイル間の結合は密であるといい、0に近いときコイル間の結合は疎であるという。
[山口重雄]
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…正弦波交流電圧を加えると,電流は位相が90度(1/4周期)遅れた正弦波となる。二つのコイルの片方に電流を流してできる磁束と交わるようにもう一つのコイルがあると,一方の電圧が他方の電流変化率にも比例する成分をもち,これを相互インダクタンスmutual inductanceという。変圧器は相互インダクタンス素子の例である。…
※「相互インダクタンス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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