着す(読み)ケス

デジタル大辞泉 「着す」の意味・読み・例文・類語

け・す【着す】

[動サ四]《「き(着)る」の未然形尊敬助動詞「す」がついたものの音変化》「着る」の尊敬語。お召しになる。
「わが背子が―・せる衣の針目落ちずこもりにけらしが心さへ」〈・五一四〉

じゃく・す〔ヂヤクす〕【着す】

[動サ変]執着する。
「その愛欲に―・して仏法をも信せず」〈今昔・一・一八

き・す【着す】

[動サ下二]きせる」の文語形

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「着す」の意味・読み・例文・類語

じゃく‐・すヂャク‥【着・著】

  1. 〘 自動詞 サ行変 〙 心がある物事に深くとらわれる。強くこだわる。執着する。ちゃくする。
    1. [初出の実例]「愛欲に着して仏法を不信ぜず」(出典:今昔物語集(1120頃か)一)
    2. 「一生妻といふ物なければ、かれに着(ジャク)する事もなく」(出典:浮世草子・近代艷隠者(1686)一)

け・す【着】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙 ( 動詞「きる(着)」に上代の尊敬の助動詞「す」が付いて音の変化したもの ) 「着る」の尊敬語。お召しになる。
    1. [初出の実例]「さ寝むとは 吾はすれど 汝が祁勢(ケセ)る 襲(おすひ)の裾に 月立ちにけり」(出典:古事記(712)中・歌謡)

ちゃく‐・す【着・著】

  1. 〘 自動詞 他サ行変格活用 〙ちゃくする(着)

き・す【着】

  1. 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙きせる(着)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android