知家事(読み)チケジ

デジタル大辞泉 「知家事」の意味・読み・例文・類語

ち‐けじ【知家事】

《「ちけいじ」とも》
親王家摂関家および公卿の家などの政所まんどころ職員の一。別当の下にあって、家務処理に当たった。ちかじ。
鎌倉幕府政所の職員の一。案主あんじゅとともに事務を分掌したもの。
中世伊勢神宮の職員の一。

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精選版 日本国語大辞典 「知家事」の意味・読み・例文・類語

ち‐けじ【知家事】

〘名〙 (「ちけいじ」とも)
親王摂関および公卿などの政所(まんどころ)の職員の一つ。家司である別当(令の置かれることもある)の下にあって、従・書吏・案主などとともに下家司に属し、家務の処理に当たる。一、二名が普通。ちかじ。
※東南院文書‐三・四一・延暦六年(787)三月二〇日・五百井女王家寄進状「知家事中宮史生従八位下高向村主諸上」
色葉字類抄(1177‐81)「知家事 チケシ」
鎌倉幕府の政所の職員の一つ。別当・令の指揮下で案主とともに事務を分掌したもの。将軍家政所下文には、この四者が必ず連署した。定員一名。
吾妻鏡‐建久二年(1191)正月一五日「被政所吉書始、〈略〉政所、別当前因幡守平朝臣広元、令主計允藤原朝臣行政、案主藤井俊長〈鎌田新藤次〉、知家事中原光家〈岩手小中太〉」
③ 中世、伊勢大神宮の職員の一つ。
※公文筆海抄(鎌倉)「一知家事補任様〈略〉右人兼補知家事職件」

ち‐かじ【知家事】

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