石ノ森章太郎(読み)イシノモリショウタロウ

デジタル大辞泉 「石ノ森章太郎」の意味・読み・例文・類語

いしのもり‐しょうたろう〔‐シヤウタラウ〕【石ノ森章太郎】

[1938~1998]漫画家宮城の生まれ。本名、小野寺章太郎。SF時代物・大人向けの学習漫画など幅広いジャンルを描き分け、綿密なストーリー展開とリアルなタッチ評価を集める。代表作サイボーグ009」「仮面ライダー」「HOTEL」「マンガ日本経済入門」など。また、子供向け特撮番組「秘密戦隊ゴレンジャー」の原作も手がけた。

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20世紀日本人名事典 「石ノ森章太郎」の解説

石ノ森 章太郎
イシノモリ ショウタロウ

昭和・平成期の漫画家



生年
昭和13(1938)年1月25日

没年
平成10(1998)年1月30日

出生地
宮城県登米郡中田町石森

本名
小野寺 章太郎

別名
旧名=石森 章太郎(イシモリ ショウタロウ)

学歴〔年〕
佐沼高〔昭和31年〕卒

主な受賞名〔年〕
講談社漫画賞(第7回)〔昭和42年〕「サイボーグ009」「ミュータント・サブ」,小学館漫画賞(第13回)〔昭和43年〕「佐武と市捕物控」「ジュン」,小学館漫画賞(第33回・青年一般向け部門)〔昭和63年〕「HOTEL」「マンガ日本経済入門」,日本漫画家協会賞大賞(第17回)〔昭和63年〕「マンガ日本経済入門」,日本酒大賞(第6回)〔平成2年〕,手塚治虫文化賞(特別賞 第2回)〔平成10年〕,日本漫画家協会賞(文部大臣賞 第27回)〔平成10年〕

経歴
高校時代に「漫画少年」に「二級天使」を発表。これがデビュー作となり、卒業後そのままプロに。ナンセンス漫画、SF漫画、少女漫画などで幅広く活躍。「おかしなおかしなあの子」、SF「サイボーグ009」、劇画「佐武と市捕物控」、テレビの原作「仮面ライダー」など数多くの作品がある。昭和61年7月改名。62年コミュニケーション・カーニバル「夢工場’87」(東京・大阪開催)で“村祭り”をテーマとした「ファンタスティックサーカス」のチーフ・イマジニアをつとめる。同年「マンガ日本経済入門」を著し、200万部のベストセラーとなる。平成元年“萬画家(まんがか)”宣言をし、「マンガ日本の歴史」(全48巻)に取り組んだ。3年まんが大博覧会(全国巡回)実行委員長、4年コミック表現の自由を守る会代表、日本漫画家協会常務理事なども務めた。6年ストーリー漫画家を中心にマンガジャパンが結成され、世話人代表となる。9年「マンガ日本の歴史」をCD-ROMで発売。12年7月故郷・宮城県登米郡中田町に石ノ森章太郎ふるさと記念館がオープン。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石ノ森章太郎」の意味・わかりやすい解説

石ノ森章太郎
いしのもりしょうたろう

[生]1938.1.25. 宮城,石森
[没]1998.1.28. 東京
漫画家。本名は小野寺章太郎。宮城県立佐沼高等学校在学中の 1955年,『漫画少年』に投稿した『二級天使』でデビュー。 1956年の卒業とともに上京してトキワ荘に入居,石森章太郎ペンネームで活動した。幅広いジャンルで活躍し,初期には冒険物『幽霊船』,少女物『龍神沼』,超能力物『ミュータント・サブ』などを発表。 1960年代の少年週刊誌全盛期には代表作『サイボーグ 009』 (1964) を発表。 1965,1966年には発想から制作までのプロセスや表現法を詳述した『マンガ家入門』 (正・続2冊) を出版。青年コミック誌では,『佐武と市捕物控』 (1967) など時代物,『009ノ1』 (1967) などお色気物も発表し,手塚治虫主宰の月刊誌『COM』には詩的ファンタジーを取り入れた実験作『ジュン』 (1967~69) を連載。 1970年代には『仮面ライダー』など,テレビの特殊撮影番組と連携した作品を多く手がけた。 1986年にペンネームを石ノ森章太郎に変え,同時期に連載が始まった『HOTEL』が後期の代表作となる。 1986年からは単行本『マンガ日本経済入門』 (4巻) ,『マンガ日本の歴史』 (55巻) などで新たな分野も開いた。

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百科事典マイペディア 「石ノ森章太郎」の意味・わかりやすい解説

石ノ森章太郎【いしのもりしょうたろう】

漫画家。本名小野寺章太郎。宮城県生れ。佐沼高校在学中より東日本漫画研究会とその同人誌《墨汁一滴》を主宰。同人には赤塚不二夫らがいた。高校3年生の1955年,石森章太郎名で《二級天使》によりデビュー。卒業と同時に上京,トキワ荘に住み寺田ヒロオ,藤子不二雄,赤塚らと交わる。少女漫画《幽霊少女》,SF《サイボーグ009》,実験的ファンタジー《ジュン》,時代物《佐武と市捕物控》,スーパーヒーロー物《仮面ライダー》など,卓越した技術と斬新な語り口で多様なジャンルの作品を発表。《マンガ日本経済入門》は情報漫画ブームの先駆となった。他に《HOTEL》《マンガ日本の歴史》などがある。1985年より現名。
→関連項目永井豪漫画

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「石ノ森章太郎」の意味・わかりやすい解説

石ノ森章太郎
いしのもりしょうたろう
(1938―1998)

漫画家。本名、小野寺章太郎。宮城県生まれ。高校時代に長編漫画『二級天使』を『漫画少年』に発表し注目される。高校時代、手塚治虫(おさむ)のアシスタントも経験。卒業と同時にプロ作家となる。『ジュン』のような実験的な作品から『おかしなおかしなおかしなあの子』のような短編ストーリー漫画、『サイボーグ009』のような長編コミック、さらには200万部の大ベストセラーとなった『マンガ日本経済入門』のような教養漫画まで幅広い分野をこなし、「萬画家」と称した。作品数は単行本だけでも400冊を超えるという。最初、石森章太郎のペンネームを使ったが、1985年(昭和60)より石ノ森章太郎と改めた。1992年(平成4)「コミック表現の自由を守る会」代表、1994年ストーリー漫画家を中心に結成された団体「マンガジャパン」の世話人代表となる。代表作は『佐武と市捕物控』『仮面ライダー』『ミュータント・サブ』『さんだらぼっち』『幻魔大戦』『リュウの道』『がんばれロボコン』『HOTEL(ホテル)』『マンガ日本の歴史』など。

[清水 勲]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「石ノ森章太郎」の解説

石ノ森章太郎 いしのもり-しょうたろう

1938-1998 昭和後期-平成時代の漫画家。
昭和13年1月25日生まれ。宮城県立佐沼高在学中より「漫画少年」に「二級天使」を連載。「サイボーグ009」「佐武と市捕物控」「仮面ライダー」など幅ひろいジャンルをえがく。61年「マンガ日本経済入門」で情報コミックのブームをおこし,全55巻という大作「マンガ日本の歴史」も話題となった。平成10年1月28日死去。60歳。宮城県出身。本名は小野寺章太郎。筆名ははじめ石森章太郎。

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367日誕生日大事典 「石ノ森章太郎」の解説

石ノ森 章太郎 (いしのもり しょうたろう)

生年月日:1938年1月25日
昭和時代;平成時代の漫画家
1998年没

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