CD-ROM(読み)しーでぃーろむ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「CD-ROM」の意味・わかりやすい解説

CD-ROM
しーでぃーろむ

コンパクトディスク(CD)による読み出し専用メモリーcompact disc read only memoryの略称。「コンパクト」という名称は、開発当時のアナログレコード盤に比べて小さかったことからつけられた。CDと同じ直径12センチメートルの光ディスクに、650メガバイト以上の情報を記憶し、情報は1倍速で毎秒150キロバイト、24倍速で3.6メガバイト、72倍速で10.5メガバイトで転送される。オーディオ用のCD同様に、ユーザー側でデータの書き込みや更新はできないが、大容量の記録能力と安価な製作費から、過去のデータを蓄積した出版印刷物のような利用が多い。漢字辞書、英単語の辞書、地図、百科事典など各種の電子辞書事典、特許情報、電話帳などのほか、法規・判例集、医薬情報、カタログ、名簿マニュアル、図鑑類や、道路マップを記録してカー・ナビゲーションに使用するなど、用途は広い。CD-ROMを読み出す装置にはパソコン用のCD-ROMドライブ、CD-ROMビューアのほか、CD-Iプレーヤーなどがある。また、CD-ROMは、動画も記録でき、多くの製品に使用されている。しかし、さらに大容量のDVD-ROMには対抗できないとして、密度・容量を2倍の1.3ギガバイトにしたDD(Double Density)CD-ROM/RW規格が提案された。DDCD-ROMは、ソニーオランダフィリップス社によるもので、2000年9月からライセンス供与を開始したが、あまり普及しなかった。

[岩田倫典]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「CD-ROM」の意味・わかりやすい解説

CD-ROM
シーディーロム
compact disk-read only memory

オーディオ用コンパクトディスク (CD-DA) を利用して,音楽用信号の代りにコンピュータのデータ (コード) を記録し,コンピュータの読出し専用の外部記憶媒体としたもの。直径 12cmのディスク片面に 650MB前後 (利用者の使用可能な容量) のコンピュータ用デジタル情報が記録できる。記録メディアとして大容量の記録が可能,製造が容易,検索が容易などの特徴をもっている。このため辞書,百科事典,新聞,部品カタログ,文献情報などを CD-ROMに収録し,電子出版として提供する CD-ROMデータベースが出現して利用されている。また,コンピュータ・ゲームや各種のソフトウェアの収録媒体としても流通している。

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