石城・岩城・磐城(読み)いわき

精選版 日本国語大辞典 「石城・岩城・磐城」の意味・読み・例文・類語

いわ‐き いは‥【石城・岩城・磐城】

[1] (石でとり囲んだところの意)
① 敵の攻撃を防ぐために、天然の岩場などを利用して築いた石のとりで。
上代墳墓の一つ。棺を納めるために、土中に築いた横穴式の石室。いしき。
常陸風土記(717‐724頃)新治・歌謡「言痛(こちた)けば 小泊瀬(をばつせ)山の 伊波帰(イハキ)にも 率て籠(こも)らなむ な恋ひそ我妹(わぎも)
[2]
[一] (石城) 古代の国名の一つ。国造(くにのみやつこ)が置かれたが、大化改新で陸奥国に編入、郡となる。養老二年(七一八)陸奥の南東部六郡を合わせて一国となったが、のちに再編入。
[二] (岩城磐城) 東山道一三か国の一つ。もと陸奥国の一部で、明治元年(一八六八)陸奥の五分割により成立した。現在の宮城県南部から福島県東部にあたる一帯。
[三] (磐城) 福島県の南東部にあった郡。明治二九年(一八九六)石城(いわき)郡に統合されて消滅。
[四] (石城) 福島県南東部にあった郡。明治二九年(一八九六)磐城・磐前(いわさき)・菊多の三郡および葉郡の一部が合併して成立。昭和一二年(一九三七)以降、平(たいら)常磐(じょうばん)・磐城(いわき)・内郷(うちごう)・勿来(なこそ)の各市に順次編入され、同四一年いわき市成立時に消滅。
[五] (いわき) 福島県南東部の地名。昭和四一年(一九六六)平、磐城、内郷、常磐、勿来の五市のほか四町五村の合併により成立した市で、中心地は旧城下町の平。常磐炭田を背景に発展してきたが、その衰退にともなって脱石炭の商工業都市に転換。JR常磐線・磐越東線が通じる、浜通り(福島県東部の太平洋岸地域)南部の中心都市。
[六] (岩城) 秋田県由利本荘市の地名。旧岩城藩二万石の城下町。地織り木綿が特産物。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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