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石油備蓄
せきゆびちく
石油供給の緊急事態に備え,平常時に通常の操業上の必要量(30~45日分)以上の量を備えておくこと。日本のエネルギー安全保障をはかるうえで最も重要な政策の一つ。また,石油消費国にとって,石油緊急時に対処するための最も効果的な手段である。日本では 1975年12月に公布された石油備蓄法で,石油精製・元売りおよび輸入業者に 90日分の民間備蓄が義務づけられた。1978年度からは石油公団法改正により 3000万klの国家備蓄が法制化され,1988年度末にはこの目標を達成した。1987年11月の石油審議小委員会で,備蓄の目標を 1990年代半ばまでに国家備蓄 5000万kl,民間備蓄 70日とすることになった。2001年に石油公団の廃止が決定し,公団が所有していた国家備蓄石油は 2003年4月から国へ移管された。国家備蓄石油は 2004年に設立された独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構が,国の委託を受けて管理している。
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石油備蓄【せきゆびちく】
石油供給の緊急事態に備えて,原油・石油製品を備蓄すること。国際的には,1957年のOECDの勧告が始まり。日本では,1972年に60日分の備蓄,1975年度には,第1次石油危機の経験を踏まえて,90日分の備蓄(石油備蓄法)が進められた。2012年12月現在185日分(国家備蓄103日分,民間備蓄81日分)の備蓄がある。
→関連項目石油公団
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世界大百科事典(旧版)内の石油備蓄の言及
【石油公団】より
…海外における総合的な自主原油開発と石油備蓄を推進するために1967年資本金の全額を政府出資により設立された特殊法人。設立当時は石油開発業務のみを行うことになっており,名称は石油開発公団で設置法も〈石油開発公団法〉であったが,78年の法律改正(法律名も石油公団法に改称)により石油備蓄業務も行うようになり,名称も石油公団と改めた。…
【備蓄】より
…IEAで規定された緊急時とは,IEA参加国全体で基準消費量(過去1年間の平均消費量)の7%以上の石油供給削減があった場合と規定されている。この場合まず,参加国は基準消費量の7%の消費節約を行い,次いでこれによってもカバーされない不足分については,石油備蓄の取崩しで補充する,さらにそれでもカバーされない場合,IEA参加国からの融通に依存することができるとしている。これが〈石油緊急時融通システム〉と呼ばれているものである。…
※「石油備蓄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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