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石貨 せっか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

石貨
せっか

石を材料とした貨幣ミクロネシアヤップ島では 20世紀前期まで,結晶状の方解石を材料とし,中央に穴を開けた円盤形の石板を貨幣として用いた。直径 20cmから 3mに及ぶものまであり,材料はパラオ諸島で産した。ヤップ島の石貨はファーともパーランとも呼ばれ,2mくらいの大石貨は大型のカヌー1隻と交換される。またニュージーランドのマオリ族は緑石 (この場合には実用価値もある) を交換に用いていた。しかし,宝貝を使った貝貨が通常の貨幣とほぼ同様に流通したのに比べると大石貨は運搬の不便さもあって,主として集団間の紛争解決や冠婚葬祭における贈答や労力提供の支払いとして用いられ,大石貨に刻印を刻んで所有権の変更のみを示した。

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デジタル大辞泉の解説

せっ‐か〔セキクワ〕【石貨】

石でつくった貨幣。ミクロネシアヤップ島で用いられた。パラオ諸島産の石を円盤状に加工したもので、大きなものでは直径数メートルもある。

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世界大百科事典 第2版の解説

せっか【石貨】

西太平洋,ミクロネシアのヤップ島で使用されている,中央に穴をあけた円板状の石製貴重品。石は南西約500kmのパラオ諸島マラカル島に産出する結晶石灰石である。直径20cmのものから,直径4m,重さ5tのものまである。パラオから筏で運ぶため,運搬に危険なだけでなく,石を切り出してこの形をつくるのに非常に手数がかかる。その大きさ(指距で測る),石質,色合いによって価値が定まる。このように貴重なものであるから,一つ一つに名前があり,歴史がある。

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大辞林 第三版の解説

せっか【石貨】

ミクロネシア連邦のヤップ島で使われていた石製の貴重品。中央に穴のあいた円盤状の石で、今日でも誕生・結婚などの際に儀礼的に交換される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

石貨
せっか

ミクロネシア、ヤップ島における交換用貴重品。この島では、儀礼的に貴重品を交換することを通じて、社会関係が維持される。この働きをするのが石貨と真珠貝貨(ばいか)である。石貨の材料はパラオ諸島マラカル地方に産出する白色ないしは淡褐色の結晶石灰石である。形状は中央に穴をあけた円板状で、小さいものは直径20センチメートル、大きいものでは直径4メートル重さ5トンというものまである。パラオ島において切り出した石貨を、カヌーまたは竹筏(いかだ)で運び帰ったもので、多大な労力が加えられている。1880年代オランダ人オキーフが帆船で石貨の運搬を請け負うに及んで、数量も増加した。しかし、これらの新品は大きなものでも古品に比べると価値が劣るとされる。石貨の価値は、その直径、色合い、形状のほか、その年代、歴史などによって個々に異なる。今日でも、これらの石貨や貝貨は、伝統的な社会関係を通じて、生き生きと交換されている。[牛島 巖]

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