砕波(読み)サイハ(英語表記)breaker

翻訳|breaker

デジタル大辞泉 「砕波」の意味・読み・例文・類語

さい‐は【砕波】

沖合からの波が岸に近づく際に起こる現象水深が浅くなるにつれて波長が縮むと同時に波高が増し、やがて波形が不安定となって前方にくずれ落ちる。

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改訂新版 世界大百科事典 「砕波」の意味・わかりやすい解説

砕波 (さいは)
breaker

砕け波〉ともいう。水の波は,振幅(または波高)が増して波長に対する波高の比がある値を超えると,流体力学的に不安定な状態となり形が砕ける。この現象を砕波という。砕波の際には水に巻き込まれた空気が無数の気泡となって白く泡立って見えるのがふつうである。波浪の砕波には白波磯波(いそなみ)の二つの型がある。白波は水深が十分大きいとき,風浪が発達して波高が限界値に達すると,波の峰の付近が白く泡立って砕けるもので,風速がだいたい6m/sになると発生し,風速の増加につれて発生頻度が増すので,洋上では白波の立ちぐあいからおよその風速を知ることができる。磯波は波浪が沖合から岸に近づく際に起きる。水深が浅くなるにつれて波の位置速度は小さくなり,波長が縮まると同時に波高が増し,やがてその形が不安定となって砕ける。磯波の砕け方には巻き波,崩れ波などの型がある。砕波は波浪のような表面波ばかりでなく,内部波のように流体中の密度の不連続な境界面に起きる波でも発生する。
磯波 →波浪 →風浪
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「砕波」の意味・わかりやすい解説

砕波
くだけなみ
breaker

磯波一つで,岸や岩などに当って砕ける波をいう。海岸の砕波は沖の白波と同様に,くずれ波から波頭が前に倒れる巻き波までいろいろな種類がある。

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世界大百科事典(旧版)内の砕波の言及

【タイヤ】より

…サイドウォールside wallはタイヤの両側面の部分で,カーカスを保護する役目をしている。ブレーカーbreakerは目のあらいコード層からなり,トレッドの局部的な変形や衝撃を吸収,分散している。ビードワイヤbead wireはタイヤをリムに固定するためのもので,スチールワイヤをよってリング状に成形してある。…

【ブレーカー】より

…ふた付き陶磁製容器の中にヒューズを納めた安全器に代わって,屋内分岐線を保護するために使われる配線用遮断器の一種を,ノーヒューズブレーカー,あるいは安全ブレーカーと呼び,これを略称してブレーカーという(表1)。また引込口に近いところに設置される開閉器で,電力会社と需要家との間の電力供給上の契約条件(アンペア契約)を実行する目的で,負荷電流が規定の値を超えたとき自動遮断する電流制限器も安全ブレーカー,あるいは単にブレーカーと呼ばれている。…

【磯波】より

…風浪やうねりなどが岸に近づくと変形してついには砕ける。このような砕波(さいは)は水深が浅くなることによって波の形が流体力学的に不安定になることから生じるもので,この状態にある波浪を磯波という。これに対し,風浪が発達して波形がけわしくなり,不安定になって砕ける状態は白波(しらなみ)という。…

※「砕波」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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