デジタル大辞泉 「風浪」の意味・読み・例文・類語
ふう‐ろう〔‐ラウ〕【風浪】
2 水面を吹く風によって起こる波。さざ波・三角波など。風波。
[類語]風・雨風・波風・風雪・風雨・無風・微風・そよ風・軟風・強風・突風・烈風・疾風・はやて・大風・颶風・暴風・爆風・ストーム・台風・ハリケーン・サイクロン・神風・砂嵐・つむじ風・旋風・竜巻・トルネード・追い風・順風・向かい風・逆風・横風・朝風・夕風・夜風・春一番・
風波と書いて,〈ふうは〉〈かぜなみ〉あるいは〈かざなみ〉と呼ぶこともある。水面上を吹く風から直接エネルギーが供給されて発達中の波浪をいう。減衰過程にあるうねりと異なり波形は複雑で,表面は粗く,波の峰はとがり,横方向の連なりは短く,風が強くなると砕波して白波が立つ。水面上を風が吹くと,最初に波長数mm程度,周期0.1秒以下の表面張力波(さざ波)がほとんど瞬時に発生する。時間の経過(風の吹送時間)または水面上,風上側の岸から風下方向への距離(風の吹送距離)が増すにしたがって,周期,波長,波高ともより大きな波が順次発生して既存の波に重なっていく。発達はすぐに重力波の帯域に及び,風速,吹送時間,吹送距離がともに最大級の場合には,波長数百m,周期十数秒,波高十数mの巨大な波にまで成長する。風浪の特徴として,(1)周期0.1秒以下から数秒ないし十数秒までの連続した広い帯域にわたっていろいろの周期の波が存在していること,(2)それぞれの周期の波ごとに波高の発達の限界があり,エネルギーに換算するとそれは周期の5乗に比例するという法則性があること,があげられる。後者は風浪のエネルギーの平衡状態を表したものであり,周期成分波のエネルギーは,風の応力によって直接供給されるもの,異なる周期成分との間で流体の非線形作用によって交換されるもの,および砕波や粘性によって失われるものがバランスしている状態が表されていると考えられる。さらに前者の理由と合わせて,波高の卓越する波長(または周期)の最も長い波の上にいろいろの波長の波が重なり合う結果,風浪の波形は複雑になる。風浪の発達過程は波浪予報にはきわめて重要であるが,まだ物理学的に完全には解明されていない。
→波浪
執筆者:竹田 厚
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 (財)日本水路協会 海洋情報研究センター海の事典について 情報
…波浪は,風からエネルギーを供給されて発達中の風浪と,その供給を断たれて減衰過程にあるうねりとに分けられる。うねりは風浪にくらべて,峰線の長いなめらかな波面をもつ規則的な波で,多くは波長約100m以上,周期約8秒以上と長く,また波長,周期が長いものほど減衰に時間がかかる。…
…例えば赤道帯や北緯23゜付近では100m/s近い偏西風が吹き,南緯18゜~20゜付近では50m/s近い偏東風が吹いている。
【風浪,うねり,高潮】
風によって起こされる波のなかで波長のあまり長くないものを風浪といい,波高の割合に波長の非常に長いものをうねりという。風浪とうねりでは波の形も異なり,風浪の波頂はとがっているが,うねりの波頂は山形にまるくなっている。…
…水面波のなかで,海面,湖面などに日常みられる風浪,うねり,およびそれらが岸近くの浅海で変形した磯波を総称して波浪という。すなわち波浪は,おもに風の力が原因となって生成される周期や波長の短い水面波で,潮汐,津波,高潮などの波とは,周期や波長,成因などの点から区別される。…
※「風浪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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