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磁心記憶 じしんきおくcore memory

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

磁心記憶
じしんきおく
core memory

コアメモリともいう。環状磁心の2種の磁化状態 (右回りと左回り) を利用して情報を記憶する方式。磁化の強さと磁界 (→磁場 ) の関係が矩形ヒステリシス特性となるフェライト ( Cu-Mn フェライト,Mg-Mn フェライト) が用いられている。磁心内の残留磁束が -B0 の状態にあるときを0に,+B0 の状態にあるときを1に対応させる。0の状態のコアに短い時間 +H0 の磁界を印加すると磁化が反転して1の状態となるが,+H0 より小さい磁界では磁化は反転せず0の状態が保持される。情報の書込みと読出しにはこの性質が利用される。記憶装置では,環状磁心に通常X,Y,Sの3本の線を通し,多数の磁心を編んでメモリプレーンを構成する。磁界 +H0 をつくるに必要な電流を +I0 とする。書込みの際,たとえば X2 と Y2 にそれぞれ +I0/2 のパルス電流を流すと,X2 と Y2 の交点にある中央の磁心に +H0 の磁界が加わり,+B0 の磁化状態となり1が記憶される。他の磁心には +H0/2 の磁界が加わるだけであるので,磁化状態は変化しない。この磁心から情報を読出すには,X2 と Y2 に -I0/2 のパルス電流を加える。中央の磁心の磁化方向は反転し,この磁化の変化によってSに電圧を生じる。この電圧が生じることで1が読出されたことになる。ただし,この読出しによって記憶が反転するので,読出し後再び1を書込んでおくことが必要である (破壊読出し。→磁気コア ) 。もしも中央の磁心が0を記憶していた場合,X2 と Y2 に流す -I0/2 の読出し電流によって磁化が反転することはなく,Sに出力が現れない。出力がないことから0を読出したことになる。当初は直径1~2mmの磁心が用いられていたが,のち 0.4mm 程度の微小な磁心が用いられもした。磁心記憶方式は高速動作 (アクセスタイムが 0.5マイクロ秒) ,電源を切っても記憶が消失しない (不揮発性) などの特色があり,半導体集積回路を用いた方式 (半導体メモリ) に置き換えられるまでコンピュータの主記憶装置に使用されてきた。 (→記憶素子 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典内の磁心記憶の言及

【記憶装置】より

…キーボードやディスプレーのような入出力装置や外部記憶装置とCPUとのあいだのデータ転送も主記憶装置を経由する。主記憶装置として1970年頃まで磁心記憶が主流だったが,その高速化・大容量化には限界があり,図2に示したように,現在は内部記憶装置には半導体メモリーが使われている。また,外部記憶装置には磁気記憶,光記憶,光磁気記憶などが使われている。…

※「磁心記憶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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