磐船街道(読み)いわふねかいどう

日本歴史地名大系 「磐船街道」の解説

磐船街道
いわふねかいどう

生駒山地北部、天野あまの川上流の渓谷南北に縦貫し、奈良県北部と大阪府北部を結ぶ主要地方道。生駒市田原たわらで大阪府四條畷しじようなわて市に通じる清滝きよたき街道(国道一六三号)から分岐、天野川沿いに磐船峡谷を経て、大阪府枚方ひらかたおかきよう街道(国道一号)と合する。

磐船は大阪府交野かたの市南部の行楽地で、山きわまり巨岩が重なり合って、渓流がその下をくぐる奇勝。舟形岩を神体とする磐船神社があり、住吉四神を祀る。巨岩は饒速日尊が天祖の意を受けて、天の磐船に乗り河内河上のたけるみねに下ったその磐船と伝えられている。


磐船街道
いわふねかいどう

天野あまの川に沿い、北河内と大和を結ぶ古道。磐船越ともよぶ。春日社記録「中臣祐定記」の嘉禎二年(一二三六)一〇月九日条に載る春日供物運上路注進状に、「西路」の一としてみえ上津鳥見かみつとみ路にあてる説もある。磐船街道の名称は天野川磐船峡にある磐船神社(現交野市)の神体(磐船)に由縁する。現在は国道一六八号となっている。近世には枚方宿近くのおか京街道から分岐、南下して郡津こおづ(現交野市)の南西端で東高野街道と交差、私市きさいち(現同上)を通って天野川上流の渓谷を南北に縦貫して河内・大和境の田原たわら(現四條畷市)清滝きよたき街道(現国道一六三号)に合した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「磐船街道」の意味・わかりやすい解説

磐船街道
いわふねかいどう

大阪府枚方市と奈良県生駒市を結ぶ街道。枚方市で京街道と分れ,交野市磐船を通り,生駒山地北部を横切って生駒市にいたる。沿道には磐船神社や天ノ川沿いの鮎返しの滝などの景勝地があり,ハイキングコースとなっている。

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