神寿詞・神吉詞(読み)かんよごと

精選版 日本国語大辞典 「神寿詞・神吉詞」の意味・読み・例文・類語

かん‐よごと【神寿詞・神吉詞】

〘名〙 (「かむよごと」と表記) 古代、出雲大社に奉仕する出雲国造(いずものくにのみやつこ)新任に際して、律令国家服従を誓い、天皇を寿(ことほ)いで奏上することば。新たに任命されて帰国した国造は、一年間、出雲の神々をまつって潔斎の後、ふたたび上京してこれを奏上する。一年間まつった出雲の神々に代わっての賀詞という意味で、特に「神」を付けて呼ぶ。「延喜式‐祝詞」の中に「出雲国造神賀詞(いづものくにのみやつこのかむよごと)」として収められている。
出雲風土記(733)意宇「忌部(いむべ)の神戸(かむべ)、〈略〉国造(くにのみやつこ)、神吉詞(かむよごと)(ほが)ひに、朝廷に参向(まゐむか)ふ時、御沐(みそぎ)の忌(いみ)の里なり。故(かれ)、忌部と云ふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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