移動体に搭載された通信端末を対象とした通信を移動体通信,その通信システムを移動体通信網という。現在,自動車電話,列車電話,船舶電話,ポケットベルなどが広く実用されている。移動体との通信連絡には無線を使用しなければならない。移動体に搭載される送受信装置は小型,軽量,小電力であることが要求される。移動体は通信中でも移動するので絶えずそれを追いかける追跡交換技術も必要である。移動体通信網を実現するためには,このようなふつうの固定通信とは違った多くの問題を解決する必要がある。
多数の移動体間の通信は無線基地局を経由して行われる。大規模なシステムでは多数の基地局が必要である。各基地局が受け持つ無線通信範囲をゾーンzoneという。個々のゾーンを小さくすればシステムは複雑化するが,同じ周波数が各所で繰り返し使用できるので電波が有効に利用できる。例えばPHS(personal handyphone system)などの簡易形携帯電話には半径100~300mの小ゾーン方式が,携帯電話,自動車電話では半径1.5~10kmの中ゾーン方式が,沿岸船舶電話では半径約50kmの大ゾーン方式が使われている。低周波帯では帯域幅が狭いので多くのチャンネルがとりにくく,高周波帯では建造物などの障害物の影響が大きくなって無線伝搬特性が悪化する。したがって,移動体通信にはVHF帯やUHF帯下部の周波数帯がよく使用される。
執筆者:秋山 稔
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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