稲含山
いなふくみやま
甘楽町秋畑と下仁田町の町境に位置し、標高一三七〇メートル。東西に尾根を長く連ね、北方からの眺めはとくに雄大である。山体は秩父古生層からなっており、突き立った山頂部は、硬い岩石のチャートである。おもな登山道は、下仁田町高倉または秋畑から入る。毎年五月三日の山開きには、登山者が多い。当山から発生する雷雲は、たちまち大きく広がり甘楽・碓氷方面にかけて、雨を降らすとともに落雷の被害を与え、畏怖の山として崇敬されてきた。山頂近くに鎮座する稲含神社は一宮貫前神社(現富岡市)の摂社で、自然神として崇拝されてきた。天明六年(一七八六)の「山吹日記」には「南の方はるかに稲含の山あり、高くそひえて見ゆ、そのいたゝきに社あり」と記す。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
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