窯変(読み)ヨウヘン

デジタル大辞泉 「窯変」の意味・読み・例文・類語

よう‐へん〔エウ‐〕【窯変】

[名](スル)陶磁器を焼く際、炎の性質うわぐすりの含有物質などが原因で予期しない釉色ゆうしょく・釉相を呈すること。また、その陶磁器。変化を求めて作為的にも行われる。火変わり。

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精選版 日本国語大辞典 「窯変」の意味・読み・例文・類語

よう‐へんエウ‥【窯変・変・窰変】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 陶磁器を焼く際、炎の性質や釉(うわぐすり)の中に含まれている物質などの関係で、釉の色彩光沢が予期しない釉色となること。ひがわり。〔博物要覧〕
  3. ようへん(曜変)

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普及版 字通 「窯変」の読み・字形・画数・意味

【窯変】よう(えう)へん

陶器をやくとき、釉薬によって色彩光沢が変化し、種々の文様を生ずること。〔博物要覧、二〕(哥窰・官窰)二窰、皿を燒出するの時、窰變して蝴蝶禽鳥~等の像にするり。~或いは、或いは紫紅形愛すべし。皆らかなり。乃ち火の幻なり。否(しから)ずんば則ち理曉(さと)るべからず。

字通「窯」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「窯変」の意味・わかりやすい解説

窯変
ようへん

製陶用語。窯(かま)の中における特異な焼成変化のこと。とくに釉薬(ゆうやく)の変色をいう。焼炎には酸化炎、中性炎、還元炎とがあるが、それらの炎を使い分けることによって、一般的な釉(うわぐすり)の呈色や素地(きじ)の呈色以外の珍しい釉色・素地色を得る場合が、第1種の窯変である。第2種は、焼炎のほか燃料の灰や炭が素地に直接ついて還元が行われ、変色するものである。いずれも異色な装飾効果が貴ばれるが、自然になる場合と、予期しない変化を求めて作為的になす場合とがある。天目茶碗(てんもくぢゃわん)の窯変である兎毫斑(とごうはん)(禾目(のぎめ))、油滴(ゆてき)天目曜変(ようへん)天目などがよく知られている。

[矢部良明]

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